トラブルが多発している東京電力福島第一原子力発電所の汚染水を浄化する設備は、新たに液体が漏れ出しているのが見つかり、13日午後から丸1日以上、運転を停止しています。再開までの時間はこれまでで最も長く、原子炉の安定的な冷却までの期限が迫るなか、運転はいまだに軌道に乗っていません。
停止しているのは、フランス製の汚染水の浄化設備で、先月の運転開始以来トラブルが多発し、12日までの1週間の稼働率は73%と、最終的な目標の90パーセントを大きく下回っています。この設備で、13日午後1時すぎ、新たに液体が漏れ出しているのが見つかり、運転は丸1日以上にわたって停止されています。運転を停止している時間はこれまでのトラブルで最も長く、もともと弱さが指摘されていた塩化ビニール製の継ぎ手が破れたことが原因でした。この間、原子炉の冷却は、処理を終えて貯蔵していた水を用いて行われたため、燃料の温度が上がるなどの問題は起きていません。福島第一原発の事故の収束に向けた工程表では、「ステップ1」の期限である今月17日までに、原子炉の安定的な冷却を実現することになっていますが、その要となる汚染水の浄化設備の運転は、いまだに軌道に乗っていません。