中国地方の鉄道・軌道会社(JR系を除く)の2011年3月期決算は、10社中7社で最終損益が増益または黒字転換となった。輸送人員は5社で減少したが、経費削減を進めて利益を確保した会社が目立つ。マイカー利用が主体の地方では鉄道会社の経営は構造的に厳しく、東日本大震災の影響で観光客の減少なども予想されることから、業績の本格回復は当面難しいとの見方が支配的だ。
輸送人員は広島電鉄、水島臨海鉄道(岡山県倉敷市)など5社で減少し、2社が横ばい。ローカル線の利用は学生や高齢者など自動車に乗らない世代が中心だが、少子化で通学定期の収入は減少。特に郊外や中山間地域を走る路線では沿線人口減少の影響が大きい。
そうした中、各社は経費削減で減収を補おうと必死だ。井原鉄道(岡山県井原市)は車両清掃費などの削減で経費を圧縮。智頭急行(鳥取県智頭町)も軽油価格の上昇で動力費が増えたものの、販管費削減などで経費全体を2%減らした。
貨物輸送が主体の水島臨海鉄道は自動車や家電製品関連などの荷動きが活発で貨物輸送量が4%増加。輸送人員は1%減だが、売上高は横ばいを維持した。
一方、広島市内の新交通システム「アストラムライン」を運行する広島高速交通(広島市)の輸送人員は2年ぶりに増加。沿線でマンション建設が活発だったほか、近隣のホールでの人気歌手のコンサート開催が利用者数を押し上げた。
スカイレールサービス(同)は輸送人員が前の期比12%増で、売上高は4%増。同社は広島市安芸区のJR山陽本線瀬野駅と、住宅地を結ぶ路線を運営している。住宅地の世帯数が増え、通勤・通学利用が伸びた。
各社の経営環境は今期も厳しい。高速道路料金の週末上限1000円の終了はプラス要因だが、「東日本大震災の影響で観光客の利用は不透明」(出雲大社など島根県の観光地を結ぶ一畑電車=出雲市)。広島市内から宮島方面に走る広島電鉄も利用客が伸び悩むと予想している。
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