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611013 六さんとジャイロ

昭和36年10月13日 日本のグライダー界の超有名人清水六之助氏〜六さん六さんと
親しまれていた〜がジャイロ・グライダーの試験飛行中に墜死したニュースは霞の目飛行
場で訓練中に社会人のクラブの方からであった。私達学生は名前は知っていても会った
事もないし普段の活動には直接の関わりのない方であって 話に出てきたジャイロ・グライ
ダーとかいうのがどんな物かも知らなかった。 しかしそれを全然知らないままに ”ジャイ
ロー・ナントカ=危険”のイメージが出来ちゃった様で ”世界の翼”誌などで開発者イゴー
ル・ベンセンが胴体らしくもない細い裸のフレーム構造に腰掛けて曳航されて又はエンジ
ンで飛んでいる写真を見れば あぁこれがあれか やっぱり危なっかしいなぁと思った。 
普段関わっているグライダーの操縦者の周りにはちゃんと囲いが有って つまりここは部
屋であって布(羽布)1枚とはいうものの外気から遮断されて飛んでいる しかも1人や2
人の搭乗者にはもったいない程のお供〜左右の大きな翼と後ろの安定板付きの長い胴
体を従えているのだ。  グライダー界の中ではジャイロ云々の話が出れば それは不幸
な六さんの事故に直接関連付けられて 従ってジャイロは良い印象は持たれていなかっ
た様に思う。 私もジャイロへの関心はこの時の事故に関してだけで終わり 将来もジャ
イロに手を出すとは考えられなかった。ベテランのグライダー・パイロットが関わったこの
事故が日本に於ける最初のジャイロ事故でもあり 氏を悼む記事に”ジャイロ・グライダー
などで彼を失ったことがどんなに大きな損失かはかり知れない”とある。

清水六之助氏
ジャイロプレン試乗中墜落死亡
大正2年5月5日生 
昭和36年10月13日没 享年49

出所/"航空情報"誌

この記事の前のページは宮原旭氏による
”回想のグライダー設計記”

注記 機体:東綿が輸入したベンセン・ジャイログライダー
    場所:読売多摩川飛行場
    状況:自動車曳航で上昇 滑走路端で?切り離し後?ローターが尾翼を叩いて?
     墜落

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