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011019 
ケン・ブロックの死    [Nov. 18, 2001]

2001年10月19日(金) 偉大な ジャイロフライヤー ケン・ブロック氏(Ken Brock / USA)が 飛行機の着陸時の事故で亡くなった。 69才。
ジャイロコプターによる事故では無いが ショッキングなニュースは10月21日に エアロインフォーメーションズの石川昭氏からの
e-mailで知った (*)。
その後フライジャイロ誌とホームビルト誌の最新号で分かった事故の様子は〜公式事故調査結果によるものでは無いらしいが〜次の通り。

     エクスペリメンタル自家用固定翼機 ソープ T-18 (尾輪式低翼)でエル・ミラージュの滑走路に着陸した際に 
     尾輪のスプリングが壊れて操向操作が困難になって まだ速度があって滑走路を越脱し
     境界を示す為のパイプに主翼が接触し 機体がスピンして転倒した。
     氏は首の骨を折って亡くなり 同乗の奥さんは軽傷だった。

ケン・ブロック氏の多くの業績〜シートタンクの発明 アメリカ大陸横断飛行 エアショー・パイロットとしての活躍 KBジャイロの開発と普及
PRA の第2代目会長 海外出張活動 エクスペリメンタル航空機用部品の供給事業 更には日本のジャイロ界との関わり等〜については
ホームビルト誌No.65(2001. 10)に詳しい。 

私は1974年夏 EAAのオシコシ・フライインで ケン・ブロック氏の華麗な飛行を間近に見た。 
急上昇やスパイラル降下と きついバンク角の旋回を絶え間なく連続して機動。 
最後にはエンジンをカットすると同時に 流れていたエアショウ・アナウンスも止まり 
観衆が一瞬どよめいて 次に会場が静まりかえった中を 独特のローター回転音だけを響かせて滑空着陸。 
驚いた事には まだ残っているローターのエネルギーを利用して バック走行して誘導路まで
戻ってきた! (ヘリコプター・モード?)。 

「エンジンが停止したらどうなるのか?と 多くの人々から質問されるので 
エンジン・カットオフ着陸をやってみせるのだ」との 氏の意図を何かで読んだ記憶がある。

左はショウ・フライトを終えて 談笑する ケン・ブロック氏。 1974年夏(8mm映画より)


しかし本当に ちょっとした事がエネルギッシュで器用な空のベテランをも 悲惨な結果へ導いてしまう 信じられない。


(注)*石川昭氏はメ−ル友達ジム・アイクからのe-mailで 悲しい事故の知らせを受けたそうである。

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