現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 東日本大震災
  5. 記事

18年前に電源喪失対策検討 「重大性低い」安全委結論

2011年7月13日23時49分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 東京電力福島第一原子力発電所が東日本大震災時に全ての電源を失い炉心溶融を起こした問題で、国の原子力安全委員会の作業部会が1993年に、全電源喪失対策を検討しながらも「重大な事態に至る可能性は低い」と結論づけていたことがわかった。安全委は13日、当時の報告書をウェブで初めて公開した。今後詳しい経緯を調べるという。

 報告書は安全委の「全交流電源喪失事象検討ワーキング・グループ」が作った。専門家5人のほか東電や関西電力の社員も参加。安全委の作業部会はどれも当時は非公開で、今回は情報公開請求されたため、公表した。

 米国で発生した全電源喪失の例や規制内容を調査した。その結果、国内では例がなく、米国と比較して外部電源の復旧が30分と短いことや、非常用ディーゼル発電機の起動が失敗する確率が低いなどとした。「全交流電源喪失の発生確率は小さい」「短時間で外部電源等の復旧が期待できるので原子炉が重大な事態に至る可能性は低い」と結論づけていた。ただし明確な根拠は示されていない。

 この前の90年、安全委は原発の設計の基になる安全設計審査指針を決めた。この指針でも「長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧または非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない」としていた。

 福島第一原発の事故では、送電線の鉄塔が倒れて外部電源が途絶え、非常用ディーゼル発電機も津波でほとんどが浸水。炉内の核燃料を冷やせず炉心溶融を引き起こした。安全委の班目春樹委員長は審査指針について「明らかな間違い」とし、見直し作業を進めている。(西川迅)

検索フォーム

おすすめリンク

夏野菜をはじめとする食材をどう食べたら良いのか、流通業界の動きも踏まえ徹底取材。

震災後、被災地の球児たちは夏を目指して立ち上がった。故郷への思いを抱き懸命にボールを追う。

この夏、子どもをプールに入らせていいのか。放射性物質は大丈夫? 授業は、検査は?

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

検索

避難所にいる方々

亡くなられた方々

| 記事一覧

【東日本大震災】救援募金を受け付け中

●銀行振り込み
三井住友銀行新橋支店(店番216)普通2133184
【口座名】朝日新聞厚生文化事業団災害口
●郵便振替
「朝日新聞厚生文化事業団」(00910・9・14990)
●現金書留
〒104・8011(所在地不要)朝日新聞厚生文化事業団「東日本大震災救援募金係」(03・5540・7446)
※郵便振替、現金書留ともに、「東日本大震災救援募金」と明記してください。