日本医師会は13日、診療行為に関連した事故は原則として刑事司法の対象とせず、各病院の院内事故調査委員会や医療関係者で作る「第三者的機関」が原因究明と再発防止に向けた調査をするとした提言を発表した。
一方、厚生労働省は今夏にも、医療事故の患者らを救済するため医師の過失の有無に関わらず補償金を支払う「無過失補償制度」の創設に向けた検討会を設置する方針で、09年の政権交代後、停滞していた医療事故への対応を巡る議論が約3年ぶりに動き出しそうだ。
提言では、全ての医療機関に院内の委員と外部有識者らで構成する院内事故調の設置を求めた。小規模病院や診療所は医師会や大学が協力。死亡事故で院内事故調の能力を超える事例は医師会や学会のメンバーで構成する第三者的機関が調査。遺族が直接、同機関に調査請求することも可能とした。【佐々木洋】
毎日新聞 2011年7月14日 東京朝刊