2011年5月19日 2時30分 更新:5月19日 3時31分
太陽系の外に恒星の周囲を回らずに浮かぶ「浮遊惑星」が多く存在するとするデータ解析を、名古屋大などが参加する国際共同観測研究チームがまとめた。英国で19日(現地時間)発売予定の科学誌ネイチャーに掲載される。
チームは日本、ニュージーランドなど4カ国39人の研究者らで構成。06~07年の間、ニュージーランドの天文台の望遠鏡で、銀河系中心にある星約5000万個を観測した。
恒星の前を別の星が横切ると、重力で恒星の光が望遠鏡に集められ明るくなる「重力マイクロレンズ現象」を活用。恒星がない場合の増光期間が1~2日程度と短い特徴から、10件の浮遊惑星を検出、特定した。いずれも地球の317倍の質量がある木星に相当する規模の天体で、地球から2万6000光年以内に存在するという。
チームの住貴宏・阪大大学院理学研究科准教授(宇宙地球科学専攻)は「銀河系に数千億個の浮遊惑星が存在すると予想される。太陽系に惑星がどのくらい存在するのかの、全容解明が早まることも期待できる」と話している。