ライフ菅首相の「脱原発」宣言 企業活動、国民生活への影響無視2011.7.13 22:55

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菅首相の「脱原発」宣言 企業活動、国民生活への影響無視

2011.7.13 22:55

 菅直人首相が打ち出した「脱原発」宣言は、企業活動や国民生活への影響を無視したものだ。首相は今夏や冬場の電力不足は「節電協力で乗り切れる」としているが、企業活動やそこで働く生活者へのダメージは深刻さを増している。日本経済の先行きに対する不安は強まる一方だ。

 首相は会見で現在の電力不足について、「ピーク時の節電協力をお願いする」ことを前提に、必要な電力供給は可能とした。ただ、昨夏比15%の節電を求められている東京電力、東北電力管内では、多くの企業が節電のため生産縮小に追い込まれており、確実に経済活動を圧迫している。

 BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「電力不足で企業の収益性は落ちる。製造業は国内ではやっていけない」として、企業の国外流出の可能性を指摘する。

 首相は定期点検中の原発について「再稼働を認めることは十分にあり得る」と電力不足解消に乗り出す姿勢をみせた。ただ、首相自身が突如として全国の原発に対するストレステスト(耐性検査)を打ち出して混乱を引き起こす現実を前に、多くの立地自治体は政府を信頼できずにいる。ストレステスト後も同意が得られない懸念は強い。

 足元の電力不足への処方箋すら示せておらず「電力をどの程度使えるかがはっきりしないままでは、来年以降の経営計画も立てられない」と、経営者からの悲鳴は切実さを増している。

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