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[経済・IT]ニュース トピック:為替市場
円続伸 一時78円台 加速する産業の「六重苦」 震災復興の足かせに
2011.7.13 23:31
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もともと日本勢は海外勢と競争する上で税制・労働法制などの面で不利を強いられてきた。これに今夏の電力供給不安なども加えて「6重苦」と表現した日本自動車工業会(自工会)の志賀俊之会長は「円高が最も厳しい」と吐露する。
円高は電機メーカーにとっても深刻な問題だ。パナソニックは対ドルの1円の円高が営業利益を38億円押し下げる。前期は1円の円高による影響額は20億円だったが、「(完全子会社化した)三洋電機の外貨取引額が影響した」という。
一方で海外生産や部品の現地調達を拡大し、円高対策を効果的に進めるメーカーも少なくない。東芝やソニーは電子機器の生産を海外に移したり、他の海外メーカーに生産を委託し、対ドルでの円高影響額をゼロに抑えた。だが、海外生産の拡大は国内の雇用機会の減少につながりかねず、日本経済全体で見ればマイナス面も大きい。
「雇用が危機的状況に陥ることは避けられず、震災復興への取り組みに影響が出るのは必至」。自工会と産別組織の自動車総連はこの日緊急声明を出し、為替介入など政府の早急な対応を求めた。トヨタの豊田章男社長も「理屈で考えればすでに限界を超えている」と呼応した。
第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「日本の製造業は生産復旧が前倒しで進んでいただけに、今回の円高は『一難去ってまた一難』。輸出企業にとってはかなり厳しい水準だ」と警戒している。
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