菅総理大臣は、13日夕方、記者会見し、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、国のエネルギー政策を抜本的に見直して、段階的に原発を廃止し、将来的には原発に依存しない社会の実現を目指す考えを示しました。
この中で、菅総理大臣は、「3月11日の事故を経験するまでは、原発は安全性を確認しながら活用していくという立場で、政策を考え、発言してきた。しかし、大きな事故を私自身体験して、原子力事故のリスクの大きさを考えたとき、これまでの考え方では、もはや律することができない技術であると痛感した」と述べました。そのうえで、菅総理大臣は「原発に依存しない社会を目指すべきと考えるに至った。計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現していくことが、これからわが国が目指すべき方向だ」と述べました。また、菅総理大臣は、定期検査中の原発の再稼働について、「先の統一見解に基づいて、きちんとした形で、項目に沿った判断が妥当なものとされれば、最終的に私を含め、閣僚ら4人で合意して、稼働を認めることは十分あり得る」と述べました。一方、菅総理大臣は、今後の電力供給について「国民生活や産業にとって必要な電力を供給することは、政府としての責務だ。ことしの夏や冬、そして来年の夏のエネルギーの需給見通しを、経済産業省や国家戦略室に示すよう指示をしている。ピーク時の節電などの協力により、この夏、この冬は必要な電力供給が十分可能だと、大臣からの中間報告として聞いている。来年以降はまだ時間があり、天然ガスなどを活用した発電所なども検討したい」と述べました。また、菅総理大臣は、エネルギー政策を争点に、みずからが衆議院を解散する考えがあるかどうかについて、「エネルギー政策は、社会の在り方そのものを決める、極めて大きな政策であり、国民が選択すべき大きな政治課題だと考えている。ただ、私がこの問題で解散するとかしないとか、そういうことは一切考えていない」と述べました。