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〜水俣病公式確認から55年目を迎える水俣市からの緊急メッセージ〜

 

国内外の皆様へ 

                       
 今回の東日本大震災により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

 この度の震災と津波により、原子力発電所が空前の被害を受け、見えない放射線に周辺の皆様方は不安な毎日を過ごしていらっしゃいます。
 この事故は、私たちの生活のあり方に示唆や警告を与えるものとなっています。そして、時間の経過とともに新たな問題も起こり始めています。その問題は水俣病のこれまでの経験と重なり合う部分が極めて多く、水俣病の教訓を発信している水俣市としましては、今後のことが心配でなりません。

 

 特に懸念しておりますのが、風評被害からの偏見や差別の問題です。水俣病の被害は命や健康を奪われることに止まらず、被害者を含め市民すべてが偏見や差別を受け、物が売れない、人が来ないなどの影響を受けたり、就職を断られる、婚約が解消されるなどの影響を受けたこともあります。言いようのない辛さであります。
 
 原発事故のあった福島県からの避難者に対する差別や偏見を知り、水俣市民はとても心を痛めています。放射線は確かに怖いものです。しかし、事実に基づかない偏見差別、非難中傷は、人としてもっと怖く悲しい行動です。避難を強いられている方々の気持ちをしっかりと受け止めなければなりません。私たちは、冷静に正しい情報を共有することの大切さを求めますし、自らも避難者を温かく迎え入れていきたいと思います。

 

 また、国外からの偏見や差別も一部あるようです。水俣市で起こった悲劇を日本全体が受けかねない状況でもありますので、国外へも正しい情報の提供と国際的な理解を求めていく必要があると思います。

 

 水俣病のような悲しい経験を繰り返してはなりません。国内外の人々が互いに協力し、1日も早い復興に努めていきましょう。

 

2011年4月26日
水俣市長 宮 本 勝 彬


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水俣市役所 総務課 秘書係
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