ヤマト運輸でアルバイト差別!
先月号でもお伝えしたように、私たちは10月27日の東京新聞「キョンナムのこんにちはこころの旅人さん」11でヤマト運輸のアルバイト差別事件を知りました。
求人募集でヤマト運輸新東京主管支店のスタッフ募集が載り、9月28日に、東京在住の在日3世(23才)の青年が履歴書等の必要書類を持ち面接を受けました。40代くらいの女性の担当者に履歴書を渡したとたん、「韓国人(外国人)はダメ!」と、すぐさま突っ返されたそうです。
その後、10月3日に当事者の両親、友人の朴慶南さんとヤマト運輸新東京主管支店管理担当職員が話し合いを行いました。その中で、担当者は3年半ほど前、働いていた一人の韓国人留学生が問題を起こしたと説明、そして「ヤマト運輸は、外国人差別をしてない会社です」と問題の本質を認識しない様なのです。実際、その営業所にはこの3年半、一人も外国籍の人は働いていないようです。
当事者の青年の気持ちを思うと胸がいたみます。話しによると、普段は親にこぼしたりしない青年が「つらいよ」とポツリとこぼしたそうだ。これまでも10件近いバイトを断られ、イベント会社では3日間働いたあと、「韓国籍では保険が作れないから(そんなことはない)、明日から来ないで」と言われたこともあったそうです。
早急にヤマト運輸に真相を尋ねてみたい思います。
ヤマト運輸のアルバイト差別のその後
先月号でお伝えしたヤマト運輸新東京主管支店でのアルバイト差別の件で、年末、同支店の管理担当プロジェクトマネージャーの塚本氏に連絡をしてみました。しかし、塚本氏の対応はそっけなく、(安さんからの相談を受けており、話を伺いたいに対して)「
安さんと話をしているので、(私たちと)話し合うつもりはない」。(差別であり、社会的な問題だが、に対して)「差別とは思っていない」と豪語しました。大変傲慢な対応です。したがって、12月21日付けでヤマト運輸(本社 東京都中央区銀座2-16-10)有冨慶二社長あてに話し合い、謝罪、社内体制の見直しの3項目の申入書を送付しました。この事件を軽視し、事実を隠ぺいしようとするヤマト運輸にみなさんも抗議の声をあげていただきと思います。
その後のその後
1月26日にヤマトのアルバイト差別にあった安さんの父親等の関係者と会えました。そこで今後のことを話し合いました。そこで安さんはヤマトの差別事件について「1社だけの問題ではない。もっと発展的な取り組みにしたい」といっていました。その後話しをした結果、3月17日(土)夜に安の経営する「からし亭」で韓国料理を食べながら、このヤマト差別の問題を語り合う集会(決起集会?)を行うこととなりました。希望の方は是非参加して下さい。
さて、ヤマト運輸ですが、1月31日に本社人材開発プロジェクトマネージャー(課長級)のオカムラ氏に連絡をとってみました。私たちが12月21日に出した申入書の対応について聞いてみたところ、「回答はしない」とのことでした。それは、「この件について、なぜ第三者の方にいわれるのか、理解できない」「答える理屈がない」との見解を持っているためです。
「本人依頼されている」「社会的な差別だと」とのこちら見解にも同調しなく、「外国人差別は本社の方針にはない。しかし、現実にあったことは事実で本人に申し訳ないが、差別ではない」との見解をいうだけでした。ヤマト運輸はこの差別事件をただのクレーム=事故としての認識しかないのです。
だから、頑ななのです。ちなみにヤマト運輸は「安さんにもお手紙を出しており、この件についてこれからこちらから動くことはない」らしい。やっぱり荒療治が必要なのか。
みんとうれんが郵送した申入書
2000.12.21
時下、ご清栄のことと存じます。
私達、かながわみんとうれんは、日本社会の国籍・民族を理由とする差別をなくし、日本人と在日韓国・朝鮮人を主とする外国人市民が共に生きる社会を実現のために活動しているNGOです。
さて、9月28日に安さんが貴社新東京主管支店(以下、支店)のアルバイトに応募し、「韓国人(外国人)はダメ」と履歴書を突っ返される事件が起こりました。その後、10月3日に当事者のご両親とその友人が支店の管理担当プロジェクトマネージャーの塚本氏、管理課の斉藤氏(以下、両氏)と話し合いを持ちましたが、両氏は「3年半ほど前に働いていた韓国人留学生が問題を起こしたため」とし、「ヤマト運輸は外国人差別をしていない」と弁明したそうです。未だに両氏は支店でアルバイト採用の差別行為があったことすら認めようとしていません。そればかりか、お互いの認識を深めるための「直接断った本人との話し合い」も「泣いているから」との理由で拒否しています。また、後日支店長名で文章が出され、そこにによると、今回の事件は“当社の採用選考規定に基づいた選考でなく、指導・監督不足”としており、私たちがこの件に関して、著しく事実誤認をしているといいたげです。
私たちは、10月に安さんならびに友人の朴さんに、この件で相談を受け、塚本氏にご連絡をしました。しかし、上述の様に塚本氏は起こったことは認めても、それを差別とは認めず、私たちとの話し合いも「この件で第3者と話し合うつもりはない」と、当事者からの依頼の上で連絡をとった私たちとの話し合いを拒否しました。
アルバイトにおいても国籍を理由にした採用拒否は明らかな差別です。差別行為は法律でも禁止されており、労働省も「公正な採用選考」を指導しています。差別行為をした者は早急に被害を受けた側と話し合いを持ち、謝罪すべきです。しかし、あなた達は頑なに拒否をしているのです。
支店の今回の行為については、説明責任は明らかに存在しており、ついては、行った行為の事実の整理とその検証のため、関係者を含めた話し合いの場が必要です。よって、以下のように申し入れますので、早急に誠意をもってご返答下さい。
記
1 今回の顛末について本社が責任を持って調査し、関係者を集めた話し合いの場を早急に持つこと。
2 今回の件を差別行為と認めて、当事者に誠意をもって謝罪すること。
3 職員研修等、今後の社内体制を改善し、報告すること。
ヤマト運輸の差別事件に関する経過
2000年 9月28日 安さんヤマト運輸面接(大森パークホテル)で国籍を理由に面接拒否
10月 3日 父親が電話で抗議
10月 4日 管理担当塚本氏、斉藤氏と父親が話し合い
10月 7日 管理担当塚本氏、斉藤氏と父親が話し合い
10月11日 三上支店長、塚本氏と父親が話し合い
面接担当者と合わせることを要求
支店長、社長が謝罪すること、面接担当者は検討することを表明
10月16日 面接担当者と会わすことができないと連絡
10月17日 東京新聞に朴慶南氏が掲載
10月18日 全国在日朝鮮人(外国人)教育研究協議会がヤマトに質問状提出
11月 1日 10/30付けの文章が配達証明で届く
年末 新東京主管支店管理担当プロジェクトマネージャーの塚本氏に連絡
塚本氏は「安さんと話をしているので、(私たちと)話し合うつもりはない」
(差別であり、社会的な問題だが、に対して)「差別とは思っていない」と豪語
12月21日 要望書提出(別添)
2001年 1月26日 安さんと打ち合わせ
1月31日 本社人材開発プロジェクトマネージャー(課長級)のオカムラ氏に連絡。
私たちの申入書の対応について「回答はしない」
「この件について、なぜ第三者の方にいわれるのか、理解できない」
「答える理屈がない」との見解を示す。
「外国人差別は本社の方針にはない。
しかし、現実にあったことは事実で本人に申し訳ないが、差別ではない」と繰り返すだけ。
「安さんにもお手紙を出しており、この件についてこれからこちらから動くことはない」
3月 労働組合のネットワークで知り合いの労組の執行委員の方に
運輸労連神奈川県連にこの件を報告し、
真摯に対応するようにお願いをしてもらった
3月 3日 参議院議員斉藤つよし、千葉景子氏に支援労組からこの件について報告
(具体的な支援を要請すれば協力をしてくれそうな雰囲気)
3月中 民族差別撤廃・外登法の改正をめざす神奈川県連絡会議(略称:外登法連絡会議)で
ヤマト運輸に申し入れをしてくれることとなった
5月10日 ヤマト運輸本社来訪に参加
社長が謝罪するとの話し以来、半年待っていたが、なんの連絡もないので、
直接社長に面会を求めるも、拒否。事実調査をして、報告するとのこと
5月16日 安さんに調査の結果、社長が謝罪したいと言った事実はないので、
社長に会わすわけにはいかないとの連絡が入る
6月14日 ヤマト運輸本社来訪に参加
5月16日の連絡の真意を聞きに行くが、門前払い
ヤマト側はビデオカメラで撮影。「お帰り下さい」の連呼
最後には強面の社員が「シッシッ」と手払いし、「帰れ!」と失礼極まりない態度
? サンデー毎日に佐高信さんが社長あてに文章を掲載
7月31日 ヤマト運輸本社来訪に参加
社長謝罪に関してお互いの認識が違うので、両者でテープを聞くことを提案。
ヤマトは安さん、三上支店長、高田マネジャーの3人だけならというが、
フィフティーフィフティーの2対2で会うことを提案。ヤマトが検討することとなる。
6月から来訪すると、強面の社員が取り囲み、恫喝めいた対応が続き、
大声でのやり取りが多くなる。