松山市発注工事の孫請け会社を舞台とした「裏金」捻出疑惑で市議会の市発注工事解明特別委員会(宇野浩委員長、16人)は13日、裏金づくりに加担したと証言した孫請け会社「エー・エス・ケー機工」社長(56)を参考人として招致。宇野委員長が秘密会とするよう求める動議を提出し、多数決により、報道機関や傍聴者が退席した状況で話を聞いた。
宇野委員長は招致決定当初、審議を公開する方針を示していたが「利害関係者や会社名等の実名が出ると名誉毀損(きそん)の恐れに当たることが考えられる」などとして、秘密会とする動議を提出。松山維新の会、公明などの賛成多数で決定した。
議会事務局によると、秘密会による議事は他人に漏らすことが禁じられており、漏らした場合、懲罰の対象となるとしている。
また、同日の委員会では、市の内部調査の妥当性を検証する専門委員の答申と市の結論を公表。市は答申内容を基に「調査した6件の対象工事について、発注工事費への不正な公金上乗せの事実はなかった」と結論付けた。
しかし、主導的な役割が指摘されてきた元市職員や孫請け社長らの聴取については、委員から「重点的・積極的に協力要請すべきだ」「監督権限や調査権、捜査権がないことは事情聴取を妨げるものではない」などの答申があったことから、「今後、警察による捜査の進展を注視しながら任意の協力依頼を行い、協力を得られることができれば、事実関係の聞き取りを行う」とした。