宮城のニュース

全国知事会議、秋田で開幕 特区・財源国に要請

震災復興と原発事故対応をめぐり、活発な議論が交わされた全国知事会議=12日、秋田市の秋田キャッスルホテル

 全国知事会議が12日、秋田市のホテルで2日間の日程で始まった。東日本大震災からの復興、福島第1原発事故への対応を主要議題に話し合い、国に求める22項目の「復興への提言案」を協議した。各知事からは原発事故を含む震災対応が後手に回る菅政権に対する批判が相次ぎ、「(復興を)総理の延命措置に使うな」との声も上がった。

 提言案では、被災県の岩手、宮城が提案した「復興特区」の制度設計、自由度の高い復興財源の確保を要請した。原発事故対応として、放射線量モニタリングの強化、農水産物や観光の風評被害対策を求めた。
 復興財源に関し、達増拓也岩手県知事は「日本経済を失速させてはならない」と増税路線に強く反対した。会長の山田啓二京都府知事は「国は財源論議にだけ終始し、現実の復興対策が遅れている」と厳しく指摘した。
 佐藤雄平福島県知事は原発事故の損害賠償について「風化してうやむやにされる危険がある」と法制化を求めた。「福島が収束していない中、平気で再稼働の話を持ち出してくる」と政府への不信感もあらわにした。
 吉村美栄子山形県知事と嘉田由紀子滋賀県知事は、原発依存度を徐々に少なくし、再生可能エネルギーに転換する「卒原発」を共同提案した。
 会議では放射線量をめぐる安全基準が明確でないとして、国に指針策定を求める特別声明を出す方針を決めた。被災地で義援金支給が遅れているため、応援職員を全国から派遣する仕組みづくりを急ぐことも確認した。
 災害時の広域応援に関しては、村井嘉浩宮城県知事が「関西広域連合の組織的な応援は市町村の評価が高かった。知事会事務局でしっかり調査してほしい」と要望した。
 全国知事会議の東北開催は2001年の福島県以来で、北東北では初めて。会議の冒頭、震災の犠牲者に黙とうをささげ、岩手、宮城、福島3県知事が被災地への支援に感謝を述べた。
 山田会長は「危機に立ち向かうことを胸に刻んで、進まなければならない。逆境こそ、この国を進化させる大きな力になると信じる」と語った。
 13日は提言や特別声明を決定し、閉会する。

◎原発、風評 支援早く/東北6知事共同アピール

 東北6県知事は12日、秋田市で開かれている全国知事会議で、震災復興と福島第1原発事故に対する国の迅速な対応を求める共同アピールを発表した。
 アピールは5項目で構成。原発事故の早期収束を最大の課題に位置付け、「放射性物質の放出で、健康不安や農林水産物の出荷制限、企業活動の停止、観光客の大幅減など、影響は東北全体に及んでいる」と強い懸念を表明した。
 このほか、(1)自由度を高め、地域の自主性を尊重した復興特区の法制化(2)日本の食料基地である東北の農業支援と原発事故による風評被害の払拭(ふっしょく)(3)地元産木材の供給推進(4)高速道路の不連続区間の解消―を打ち出した。
 知事会議では、佐竹敬久秋田県知事が6県知事を代表して共同アピールを説明。東北が一丸となって復興に取り組むことを強調しながら、「アピール(に盛り込んだ施策)は国の3次補正のタイミングで具体化させていく。全国からのバックアップをお願いしたい」と各知事に協力を求めた。


2011年07月13日水曜日


Ads by Google

関連記事

powered by weblio



△先頭に戻る

新着情報
»一覧
特集
»一覧
  • 47NEWS