臓器売買を巡って東京の医師が逮捕された事件で、この医師が愛媛県の病院で腎臓の移植を受けた際に、住吉会系の暴力団組長らが提供者を紹介し、医師から謝礼としておよそ800万円を受け取っていた疑いが強まり、警視庁は、組長と提供者の男ら3人を臓器移植法違反などの疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは、住吉会系の暴力団組長、坂巻松男容疑者(70)と、腎臓の提供者の堀内竜哉容疑者(21)ら、合わせて3人です。この事件は、東京・江戸川区で内科クリニックを経営する医師の堀内利信容疑者(55)が、おととしから去年にかけて、暴力団員に1000万円を支払って自分に移植する腎臓の提供者探しを依頼したとして、先月、臓器移植法違反などの疑いで逮捕されたものです。警視庁のこれまでの調べによりますと、堀内医師は、暴力団員との交渉が決裂し、移植が受けられなかったため、去年7月下旬、愛媛県の宇和島徳洲会病院で移植手術を受けたということです。その後の調べで、この際、暴力団組長の坂巻容疑者らが堀内医師に竜哉容疑者を紹介し、謝礼として、およそ800万円を受け取っていた疑いが強まったということです。警視庁は、堀内医師と妻についても近く再逮捕するとともに、暴力団が組織的に仲介を行っていた疑いがあるとみて、実態解明を進めることにしています。