東京電力福島第一原子力発電所で事故の収束作業をしていて死亡した静岡県御前崎市の当時60歳の男性の遺族が「厳しい作業が死亡につながった」として、13日、労働基準監督署に労災を申請することになりました。今回の原発事故を巡り、死亡した作業員の遺族が労災を申請するのは初めてとみられます。
労災を申請するのは、福島第一原発で作業をしていて死亡した静岡県御前崎市の配管工、大角信勝さん(当時60歳)の妻です。東芝などによりますと、大角さんは原発事故の収束に当たっている東芝の4次下請けの建設会社に勤務していて、5月に施設内で配管工事などを担当していましたが、作業中だった2日目の朝に体調不良を訴えて死亡しました。これについて大角さんの妻は「身体的、精神的に厳しい作業を行っていたことが死亡につながった。過酷な現場なのに医療体制も整っていなかった」などとして、13日、横浜南労働基準監督署に労災を申請することにしています。大角さんの妻でタイ国籍のカニカさん(53)は「まだ若いのになぜという悔しい思いだ。本当はお金よりもお父さんに帰ってきてほしい」と話しています。東芝は「作業は法律にのっとったものだが、申請があれば関係書類を提出するなど速やかに対応したい」と話しています。遺族の弁護士によりますと、今回の原発事故を巡って死亡した作業員の遺族が労災を申請するのは初めてとみられます。