北海道釧路市の阿寒湖で、国の特別天然記念物マリモが大量に岸に打ち上げられたり、湖底で割れたりしている。傷んだマリモは昨年初めて見つかったが、今年はその数がはるかに多い。昨夏の猛暑で水温が上がって内部が腐敗し、ガスがたまったとみられる。生育環境がかなり悪化している可能性もあり、同市教委マリモ研究室は監視態勢を強化する。
マリモは本来、湖の底に沈んだり、水中を漂ったりしている。ところが、昨年夏、内部が腐敗して浮き、岸に流れ着いたマリモ十数個が初めて確認された。
同研究室の若菜勇学芸員らが湖北部を今夏調査したところ、多数のマリモが岸に打ち上げられているのが見つかり、60個以上を採取して調べている。湖底にも割れたマリモがたくさんあるのを確認した。
打ち上げられたマリモは直径15センチほどのものが多い。通常は中心部の空洞から外側まで藻の厚さが4、5センチあるのに、見つかったマリモは空洞が広く、厚さが2、3センチしかなかった。(横山蔵利)