松井秀喜外野手は16日、本拠地のヤンキー・スタジアムで記者会見を開き、正式に再契約を発表した。者会見での一問一答は次の通り。
――ヤンキースに戻れた今の気持ちは。
「ボクにとっては最高に幸せです。ピンストライプのユニホームを着て、またこの球場でプレーできる幸せを今すごく感じている。新たな気持ちで来シーズンを迎えることができる。」
――交渉の過程でほかの球団に行こうと思ったことはあるか。
「(移籍の考えが)なかった訳ではない。(提示条件と希望に開きがあり)交渉の途中で『そうなっても仕方ないかな』と思ったことはあった。一番、必要としてくれる場所でやりたかった。」
――結果、ヤンキースを選んだ
「最終的には、ここでプレーして大きなパズルのピースの一つになってほしいという強い意思が伝わってきた。それがうれしかった。僕自身もここでプレーするのが一番の希望で、最終的にその気持ちが一つになった。」
――ヤ軍が勝てるチームだと判断して残留した?
「ヤンキースは常に目標を高いところに置いているチーム。そこに身を置いて、自分も同じ高い目標を持って戦う。」
――トーリ監督の残留も大きかった。
「それはある。 監督は、言葉では言い尽くせないくらい大きな存在。自分にとっては(決断を下すための)すごく大きな要素だった。感謝している気持ちは非常に強いので、できることなら一緒にやりたかった。」
――イチロー外野手(マリナーズ)の4年総額4400万ドルより大きい額になったが。
「ぼく自身はイチローさんより多くいただきたいとか、そういうことは考えなかった。(日本人選手最高額は)名誉かもしれませんが、ある意味責任感にもなる。4年間しっかりプレーしなければならない。大きな責任を感じる。責任が自分の力にもなる。はっきり自信があるとは言えないが、ベストを尽くし自分の100%の力を出し切るという自信は持っている。」
――契約交渉でワールド・ベースボール・クラシック出場の話は出たか。
「交渉中はまったくそういうことはなかった。まだ何もぼくに対して要請もないし、今は何のアイデアも持っていない。」
――連続出場記録は。
「それは僕の希望でできるものではない。決めるのはトーレ監督。決定に従うだけです。」
――今後の抱負は。
「チームとしての目標は一つ(ワールドチャンピオン)しかない。それは毎年同じ。個人的には毎日、一番いい状態でグランドに立ちたい。それを毎日、毎試合できれば、いいパフォーマンスが出せると思っている。それを4年間続けたい。来シーズンからの4年間も、いいコンディションを維持していきたいですね。そして毎年、ワールドチャンピオンになれるように頑張っていきたいです。」
テレム氏のコメント:「ヒデキの心はずっとヤンキースにあった。彼はそこで選手生命を終えたい、ヤンキースのユニホームで引退したいと願っている」
キャッシュマンGMのコメント:「秀喜はグラウンド内での才能だけでなくビジネス面でも利益をもたらす。彼は、チームの勝利に貢献するだけではない。日本人が我々に多大な関心を寄せるなど、無形の利益も生み出してくれる。」
トーリ監督のコメント:「(連続試合出場について)問題ない。連戦であいつが疲れていてもチームに必要だから使う。だいたい、ことしはけがで次々と選手を欠いて出続けることが必要だった。それに松井自身も出場を大切に思っているみたいだしな。」
〜(ニュース記事参照)〜
今回の松井選手の言葉から、どうやら初めからヤンキースへの残留の意志は固かったようだ。ヤンキースを出るかもしれないという可能性を示唆する発言は、年俸を最大限に引き上げるための交渉戦術だったように感じる。なぜ今回そこまで年俸にこだわったのか。巨人時代も毎年、一発サインでやってきたというのもあって松井選手は、お金に執着しないというイメージがもともとあった。しかし、松井は契約前、「なめられたくない、という気持ちは巨人時代からありました。でも何年間かずっと一番上だったしあまりそういうことは考えなかったのでしょう。年俸も大事な要素? だれだってそうでしょう。チームが選手を評価するのはお金でしかできないでしょう。」と語っている。やはり、正当な評価をしてもらいたいというのは、選手として当然の願望ということなのだろう。今回の大型契約については、はっきり「大きな責任を感じるが、その責任が自分の力になる。」と語った。この精神力の強さに松井選手の人間としての大きさを感じる。そのプレッシャーが松井選手の闘志へと変わる。頑張れ〜、松井秀喜!!
<追記>
平均1300万ドルは今季年俸に当てはめるとメジャーリーグの中で19位、スター選手がずらりと並ぶヤンキースの今季開幕時年俸(AP通信による)に比較すると、7番目になる。という事は、年俸の上位19人の内、7人はヤンキースの選手ということか。やっぱりヤンキースは凄いなぁ。