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猛暑対策、被災地懸命 震災4カ月 東北梅雨明け
 | 避難所で暑さにじっと耐える被災者=11日午後2時30分ごろ、気仙沼市の鹿折中体育館 |
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連日猛暑が続く被災地では、既に暑さとの闘いが始まっており、梅雨明けを機に本格化した。肌を刺す日差しとうだるような暑さの中、被災者やボランティアは体調管理や食中毒防止に懸命だ。
約70人が身を寄せる宮城県石巻市門脇中の武道場では11日、4台だった扇風機が8台に倍増された。避難者らは1日数回の打ち水も欠かさない。 「熱中症が最も心配。高齢者にはなるべく外出を避け、水分を小まめに取るよう呼び掛けている」。避難所まとめ役の一人、及川幸江さん(45)は話す。 食事はその場で食べきるよう、互いに声を掛け合う。「食中毒が発生すれば、一気に広がる可能性がある」(及川さん)ためだ。 約130人が身を寄せる気仙沼市鹿折中の体育館では、15台の扇風機がフル回転。ぬれタオルで体を拭いたり、保冷剤を枕に乗せて横になったりしている人も多い。主婦中山節子さん(70)は「風がないと蒸し風呂のようだ」と汗を拭った。 47人が生活する岩手県釜石市の旧釜石一中体育館。10台の扇風機は寝苦しい夜を除き、原則的に午後9時に止まる。河野千恵美さん(42)は「なるべく汗をかかないよう、必要以上に動かないようにしている」と話す。 宮城県亘理町旧館の仮設住宅に家族5人と暮らす無職丸田和子さん(72)は「夜になってもなかなか気温が下がらず、寝付けない。湿気も多く、カビがすごいんです」とこぼす。 備え付けのクーラーは電気代と節電を考慮し、使うのは日中のみ。扇風機1台が昼夜を問わず回り続けている。「もう1台欲しいが、町内の家電店を回っても品切れだった」という。 屋外での作業が多いボランティアも暑さは大敵だ。仙台市津波災害ボランティアセンター(VC)は、ボランティア参加者に塩分補給のためのあめを配り、1.5リットル以上の飲み物の持参と帽子の着用を呼び掛けている。 6月にはボランティアが熱中症で病院に搬送されるケースも発生。ボランティアの送迎車には、病院の地図と連絡先を記した紙を配備している。 若林区内で11日、泥かき作業をしたボランティアリーダーの関根絵美子さん(37)=宮城野区=は「30分おきに休憩するようにし、メンバーにはとにかく水分補給を促した」と話す。 宮城県南三陸町災害VCでは屋外でがれきの片付けなどに当たるボランティアらに、日陰を作って休むための簡易仮設テントを持たせている。町社会福祉協議会の須藤美代子総務班長は「飲み物などを冷やすクーラーボックスが不足気味。支援物資として提供があればありがたい」と訴える。
2011年07月12日火曜日
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