高砂市議会の文教厚生委員会が11日開かれ、市民病院が治療を巡って争われた医療過誤訴訟の控訴審判決で330万円の支払い命令を受けたことを明らかにした。上告はしない方針。
訴状などによると、女性患者(当時59歳)が06年、足がチアノーゼ状態に陥ったため市民病院に入院。2週間後、くも膜下出血を起こし、転送先の病院で手術後に死亡した。1審で原告の遺族側は「薬の投与によって動脈瘤(りゅう)が破裂し、くも膜下出血を引き起こした」と主張し、約3000万円の損害賠償を求めた。病院側は「合理的な処方だった」などと反論したが、神戸地裁姫路支部は昨年11月、「くも膜下出血を疑ってCT検査を行わず、再出血の可能性を増大させる薬を投与したのは医療水準から逸脱していた」などと指摘し、遺族への計75万円の支払いを命じた。
病院によると、原告側が控訴。大阪高裁は今月6日の判決で「延命の可能性があった」などと原告の主張を一部認め、病院に計330万円の支払いを命じたという。この日の委員会で病院側は「再発防止に向けて取り組んでいる」と話した。【渕脇直樹】
〔播磨・姫路版〕
毎日新聞 2011年7月12日 地方版