夏の全国高校野球選手権広島大会初日の9日、広島市のマツダスタジアムであった1回戦第2試合、広島井口-広島工大高の試合中、両校の選手計12人が熱中症とみられる症状を相次いで訴え、うち3人が救急搬送された。7-7の延長十三回裏終了時点で、広島工大高の二塁手が体調不良で出場できなくなり、ベンチ入りの20人を使い切ったため、没収試合となった。この日、同市内の最高気温は32・3度。
同スタジアムの開会式と第1試合でも選手計6人が熱中症で病院に搬送された。午後2時46分に始まった第2試合では、治療のための中断が6回あった。広島工大高の石田克之監督によると、三回ごろから熱中症の症状を訴える選手が出始めた。孫博投手(3年)は「感じたことのないマウンドの暑さだった。五回終了時点で、下半身が全然動かない状態になった」と話した。
奈良県橿原市の佐藤薬品スタジアムで同日開幕した奈良大会でも観客の生徒8人(男子1人、女子7人)が熱中症とみられる症状で救急搬送された。入場行進でプラカードを持った女子生徒3人と観客席の生徒8人も体調不良を訴え球場の医務室を訪れた。
毎日新聞 2011年7月10日 東京朝刊