韓国のプサンに入港したアメリカ海軍最新鋭の原子力潜水艦が、11日、報道陣に公開され、アメリカ軍としては、最新の潜水艦が朝鮮半島周辺に展開していることを示すことで、韓国に対決姿勢を強めている北朝鮮をけん制するねらいがあるとみられます。
プサンに寄港しているのは、アメリカ海軍の原子力潜水艦「テキサス」です。「テキサス」は、9日、乗組員の休養などのためプサンにある海軍基地に入港し、11日、その内部が内外のメディアに公開されました。「テキサス」は、アメリカ最新鋭のバージニア級潜水艦の1つで、▽巡航ミサイル「トマホーク」を発射できるほか、▽特殊部隊をひそかに陸地に送り込んだり、▽高性能のセンサーや赤外線カメラなどを使って、様々な軍事情報を収集したりする能力を備えています。取材に応じたロンスカー艦長は「韓国との合同作戦能力を高めるのが韓国にきた目的だ」としたうえで、北朝鮮の挑発に対しては、「いかなる攻撃にも容赦のない反撃ができる態勢を取っている」と述べました。朝鮮半島西側の黄海では、去年、哨戒艦の沈没事件やヨンピョン島への砲撃があり、北朝鮮は、その後も韓国に対して対決姿勢を強めています。アメリカ軍としては、朝鮮半島周辺に最新の潜水艦が展開していることを示すことで、北朝鮮がさらなる挑発に出ないようけん制するねらいがあるものとみられます。