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放射能を恐れすぎるな、フクシマの危機は過ぎた。

BLOGOS編集部

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放射能を恐れすぎるな、フクシマの危機は過ぎた。
原子力関係の専門用語が難しく、何度も通訳と確認をしていた。 写真一覧(5件)

質疑応答



ニコニコ動画・七尾:今回、福島第一原発から海洋に放射性物質が放出されたということがありまして、漁業関係者だけでなく、私たち国民も大変心を痛めています。国際社会に多大な迷惑をかけたということで。全体として、海に対する汚染というものに大変ナーバスになっているわけです。それで、ちょっと、厳しい質問になりますが、ロシアのムールマンスクには、旧ソ連時代の原子力潜水艦が原子炉を積んだまま海底に放置されているということがございます。まずこの事実関係と、もしこれが事実であれば、原子炉を積んだままでありますが、海に放出される推定される放射性物質の総量はどの程度のものなのか、また、今後、腐食した場合の海へのどんどん広がっていく可能性があるわけですが、今後どうされるというお考えなのか、この点をお聞かせください。


博士:第一に、チェルノブイリの経験から、または科学の見地から申しまして、水に関連する問題、要するに水の汚染は、特にそれが海洋ということであれば、汚染によって生じる問題は最も少ないと言うことが出来ます。また、原子力潜水艦に関してですが、原子力潜水艦の事故に関連して問題視される内容は、常に誇張されて考えられがちですが、たとえ、海洋で原子力潜水艦の原子炉が爆発したとしても懸念される環境への影響はなく、それが(地上に生活する人間の)人体にということであれば、まったく何の影響もないと言えます。

水というのは、その量が大量でありますから、大気中に汚染物質が放出された場合のほうが何倍も深刻な問題です。大気への汚染物質の放出は、常に、水への影響よりも深刻な問題に発展します。それが海洋であるならばなおさら問題にはなりません。

また、これは福島第一に関連することですが、インターネット上には自由に入手可能な情報として、海洋の汚染状況を示した全データが存在します。もちろん、通常設定されている基準値以上の汚染レベルがみられることもあります。また、魚の体内からも基準値を超える放射能が検出されています。しかし、通常設定されている基準値というのは、その数値を超過したからといって、危険であるということではないという点を理解しなくてはなりません。

放射線安全基準値というのは、基準が大変厳しく設定されているという特殊性を有しています。チェルノブイリ事故後の一例を挙げますと、欧州諸国における牛乳のセシウム含有量の許容値は、1リットル当たり370ベクレル以上という数値でした。これは子供の食品向けの値ですが、大人用の一般の食品には、600ベクレルという数値が設定されていました。魚食品は、1キログラム当たり3000ベクレルでした。これは、完全に安全なレベルの数値です。このように、欧州では健康上の問題がまったく懸念されないレベルの数値が設定されました。つまり、ここで設定された基準値はこれに超えれば体に悪影響があるというレベルの数値ではなく、この程度であればまったく問題なく、安全が保障されているというレベルの数値です。

通常、つまり平常時には、日本では100ベクレルという基準が存在していました。この基準値を超えたとき、国民の皆様は不安を感じてしまったわけですが、これが、放射線安全基準のもつ特殊性なわけです。なぜなら、大変厳しい基準値だからです。政府は許容数値の情報を何度も変更することにより、国民が混乱するのです。しかし、放射能事故が発生した場合、平常時の基準値よりも高い数値が設定されるというのは標準的な規則です。この点において、社会全般および住民のレベルで、問題が生じるわけです。例えば、最近まで、ロシアのチェルノブイリ原発エリアにおいて、牛乳1リットル当たりのセシウム含有量の許容値は100ベクレルと定められていました。他方、欧州では子供の基準値が370ベクレルです。しかし、これは、欧州ではこの数値以上が即危険という数値を定めている訳ではなく、全く問題のない数値です。このようなややこしい事情が時々混乱を招く原因となります。
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