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放射能を恐れすぎるな、フクシマの危機は過ぎた。

BLOGOS編集部

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放射能を恐れすぎるな、フクシマの危機は過ぎた。

司会者(岩上安身)からの質問



司会者:スピーチはこれで終わりということでよろしいでしょうか?それでは私から質問をさせていただきます。そのあとで皆様からの質問に移らせて頂きたいと思います。まず1点目、東電および政府の発表では、一時期、この福島第一原発の事故はレベル4に相当すると言っていた時期があったんですね。その後、東電の広報の松本さんという方が、この方は毎日質問に答えてくださっていた人ですが、この方が、私自身の質問に対して、これまでに福島第一原発事故で放出される放射性物質の量は、チェルノブイリ事故で放出された量の10分の1に相当すると発言されました。しかし、福島原発事故の収束までに放出される総量は、チェルノブイリと同等もしくはそれ以上であるとおっしゃっていました。

そして、先日までメルトダウンしていたことを公にしていなかったんですが、初めてメルトダウンしていること、事故の実態、事故の真実を初めて明らかにした際に、松本さんは、「チェルノブイリよりもずっと少ない放射性物質の量で収束することができるだろう」とおっしゃんたんですね。つまり、事故は前回の発言があったときよりもよりシビアなものであることが分かったにも関わらず、ずっと少ない量で収束できるというのは、おかしい!と私は思いまして、改めて質問をしたんですが、松本さんは、事故をレベル4としたときよりもレベル7にした時のほうが影響が軽いという発言をしているんです。これについて、実は、ラファエルさんは、日本の福島第一原発の事故はレベル4程度でいいんだとおっしゃっておりますが、これをどう評価するのか、ちょっと意見をお聞かせ願えますでしょうか?


博士:原子力発電所事故の評価として使用される国際原子力事象評価尺度INESは、広く社会全般に理解を与えるためのものですが、実際には理解することが難しいという側面があります。ですので、どの程度の放射性物質が周辺環境に放出されたかを議論することが妥当であり、この点において福島第一番原発事故とチェルノブイリ事故を比較してみますと、福島は、チェルノブイリ事故時の放出量の約10分の1ということが言えます。但し、原子炉の損壊に関して言えば、チェルノブイリでは原子炉1基が爆発および全壊し、福島では原子炉3基と使用済み核燃料プール4基の中の核燃料が損壊したということになります。この点おいて、どのレベルに区分するべきかは議論に値する問題であって、レベル4なのか、レベル6なのか、レベル7なのかを専門家間で話し合っている訳です。ただ、一般市民にとっては、このレベル区分が最も重要になるかというと、そうではありません。

重要なことは、放射線の状況そしてどのような健康への影響が想定されるかという点であり、どのレベルに相当するかは専門家が議論されることで、一般の方にはさほど重要な関心事ではありません。もちろん原子力の過去の歴史の中で、3番目に起きた過酷事故(シビアアクシデント)であることは間違いありませんが、放射性物質の放出量においてはチェルノブイリ事故時の量と比較すると、はるかに少ない量であると言えます。そして、この事実が最も重要になると思います。原子炉の破損状況については、3基の原子炉が全壊、使用済み核燃料プールでも破損がみられたということになります。これで以上かと思います。

司会者:次の質問に参りたいと思います。事故当時、ソ連政府は情報を隠蔽し、このことで国内外から強い批判を受けました。その一方で、ソ連政府は、まぁ当時の強い中央集権国家であった故に実現したことだとは思いますが、事故後、大量のバスを出しまして、周辺住民を、強制的な方法ではありますが、避難させました。つまり、強いリーダーシップを発揮したわけです。ひるがえって、日本政府の対応についてどのように感じていらっしゃるか?日本政府は情報を出す、出しているふりをしていますが、出された情報をのちのち悉く訂正しております。住民の避難に関しても、リーダーシップが発揮されておりませんでした。批判は受けたものの、当時のソ連政府と比較して、日本政府の対応は大変お粗末なものであったと思います。この辺りについて、その当時をご存じであるラファエルさんのご意見を伺いたいと思います。付け加えて言いますと、日本にもグラスノスチとペレストロイカとデモクラシーが必要なのではないかと思います。いかがでしょう?


博士:私は政治家ではありませんので、日本政府の対応に評価を与えるべき立場にありません。

チェルノブイリ事故では、事故発生直後の初動対応としては、大変迅速な住民避難措置が取られ、まず始めに10キロ圏内、つぎに30キロ圏内の住民避難が行われました。確かに、当時のソ連政府は、事故に関する情報をメディアを介して報道しなかったことも事実ですが、現場では大変迅速に住民避難の措置が講じられました。日本政府は初動対応として、20キロ圏内の住民避難を行いましたが、この措置は私から見ても大変迅速に行われ、また、必要不可欠で正しい措置であったと思います。この措置は、事故が収束しておらず継続しているという観点から考えても、大変正しい判断であったと思います。あらかじめ住民を避難させることは必要な措置であり、実際に何らかの事象が発生した後で住民の避難させることは困難だからです。この意味において、ソ連邦および日本で取られたこの行動は、等しく効果的な措置であったと言えます。
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