名古屋グランパスのDF増川隆洋(31)が13日の鹿島戦(豊田ス)に、我慢比べを覚悟して臨む。J1初優勝した昨年は、鹿島に2敗。いずれもミス絡みで失点しているだけに、一瞬の緩みが命取りになることを言い聞かせて、増川自身にとって6年ぶりの鹿島戦勝利を目指す。
決定機を逃すうちに苦しい試合展開を強いられることが続いても、増川は割り切っている。
「サッカーってそんなものでしょう。神戸戦は後半の最初が危なかったけど、我慢していればね」
9日の神戸戦は復帰したばかりの中村が終盤、豪快ミドルを決めて1−0。劣勢に立たされた後半も、増川らDF陣が踏ん張り続けて、値千金のゴールを呼び込んだ。
9戦負けなしと上昇気流に乗りかけたところで難敵が待ち構える。今季、鹿島は13位に沈んでいるが、増川は「今年のチームは詳しく知らないけど、鹿島は鹿島」と、試合巧者という印象は変わっていない。
増川が最初で最後に鹿島に勝ったのは2005年7月13日(瑞穂陸、3−0)。グランパスはその後も勝ってはいるが、増川は出場停止などで欠場する巡り合わせが続いた。
昨年、ホームでの第1戦は、増川がマルキーニョスの反則まがいのタックルでボールを奪われ、決勝点につながった。第2戦でも、楢崎が速攻を意識したスローイングをインターセプトされて勝ち越された。増川は昨年のことがあっても「特別な意識はない」と遺恨めいた感情はない。試合直後に「反則どうこうより、体を入れてキープすれば問題なかった」と話したように、わずかなミスが勝敗を決することを肝に銘じている。
神戸戦で3試合ぶりに勝利を収め「去年もよくあったけど、苦しくても無失点で踏ん張れるのがウチらしいところ」と、得意の勝ちパターンがよみがえってきた。鹿島戦でも、辛抱を決め込んで戦う。
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