岩手のニュース
釜石・キッチンカープロジェクト始動 飲食店、車で移動販売
 | プロジェクトの第1号店として、がれきの残る街で再出発した「和っつ」のキッチンカー=釜石市内 |
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東日本大震災の津波で店を失った岩手県釜石市の飲食店主らに、移動販売車を使った営業で再起を促す「かまいしキッチンカープロジェクト」が動きだした。既に2店が営業を始めており、さらに参加店を増やす。震災から5カ月の8月11日に本格スタートする。
財団法人釜石・大槌地域産業育成センター(釜石市)が、キッチンカーの営業ノウハウを持つ産業支援の非営利会社「プラットホームサービス」(東京)の協力を得て4月に検討を始めた。 プラット社は、釜石市の被災店関係者と親交があることからセンターにプロジェクトを提案し、1000万円を寄付した。センターは市の補助金1000万円と合わせ、キッチンカーを購入して管理、運営する。 キッチンカーは店主の自立を促すため、最大2年間の期限付きで貸し出す。月2、3万円の賃料と売り上げの一部は、運営費に充てる仕組み。 これまでに中古のキッチンカー3台を購入。市中心街にあった店が津波で全壊した定食店「浜結」と焼き鳥居酒屋「和っつ」の2店が17日に営業を始め、弁当やチキンカレーなどを販売した。 和っつの福士達也店長(38)は「店名を続けられるのが何よりうれしい。いつか店を再建したい」と意欲を見せる。 3台目のキッチンカーは生ビールなどを提供する「ドリンクカー」としての活用を検討。さらに4、5台のキッチンカーを購入する予定だ。 市中心街の青葉通りに車両基地、食材保管庫といった拠点も整備し、8月の本格実施を計画している。センターの石川学部長代理(43)は「プロジェクトを軌道に乗せ、周辺地域にも波及させたい」と話している。
2011年07月08日金曜日
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