福島第1原発:債権放棄要求に全銀協会長「強い違和感」 

2011年5月18日 20時40分 更新:5月18日 20時54分

インタビューに答える全国銀行協会会長の奥正之三井住友FG会長=東京都千代田区の三井住友FGで2011年5月18日、手塚耕一郎撮影
インタビューに答える全国銀行協会会長の奥正之三井住友FG会長=東京都千代田区の三井住友FGで2011年5月18日、手塚耕一郎撮影

 全国銀行協会の奥正之会長(三井住友フィナンシャルグループ会長)は18日、毎日新聞のインタビューに応じ、東京電力の福島第1原発事故の賠償問題を巡って枝野幸男官房長官が銀行の債権放棄を求めたことについて、「原子力損害賠償法は事業者と国の負担についてのみ言及している。国が金融機関などのステークホルダー(利害関係者)に責任を求めることには強い違和感がある」と主張した。政府の東電に対する賠償支援の枠組みは「東電を債務超過にさせない」ことを前提としており、奥会長は「債務超過になっていない企業に債権放棄を行うことは通常あり得ない」と述べた。

 さらに奥会長は、原子力損害賠償法で「異常な天災地変を原因とする事故の場合、原子力事業者が免責される」との条項があることを挙げ、「(政府の賠償支援の枠組みで)1000年に1度の震災が異常と見なされないとの結論は、誰がどういう議論を経て導き出したのか。(免責条項の)適用の余地があったのでは」とも指摘した。【大久保渉】

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