福島第1原発:1号機溶融「収束工程に影響せず」…菅首相

2011年5月16日 11時51分 更新:5月16日 20時39分

衆院予算委で答弁する菅直人首相=国会内で2011年5月16日午前11時15分、藤井太郎撮影
衆院予算委で答弁する菅直人首相=国会内で2011年5月16日午前11時15分、藤井太郎撮影

 菅直人首相は16日の衆院予算委員会で、東日本大震災の本格復興に向けた11年度第2次補正予算案の編成について「被災した県などが7、8月ごろに復興計画を出す。地元の意見を踏まえる必要があり、あまり拙速すぎるのも気をつけなければならない」と述べ、8月以降へ先送りする意向を示した。福島第1原発1号機でメルトダウン(炉心溶融)が起きていたことに関しては、「6~9カ月後に冷温停止」という東京電力の事故収束の工程表に大きな影響は与えないとの見方を示した。

 2次補正について首相は「復興構想会議で宮城、岩手県が8月に予算要望すると言っていた」と指摘。「中長期の計画を作る時間もかかる。今国会中に間に合うのか」と述べ、予算案の提出を次の臨時国会に先送りする意向を強くにじませた。

 一方、同原発1号機では、燃料の大半が溶融して圧力容器の底にたまっていることが判明している。圧力容器内の水位は予想を大きく下回っているが、東電の清水正孝社長は「原子炉への注水で安定した冷却状態が保たれており、工程はしっかり守りたい」と答弁。17日の工程表の改定では、4月に発表した▽3カ月後までのステップ1(放射線量が着実に減少)▽6~9カ月後までのステップ2(原子炉の冷温停止)--とのスケジュールを大きく変更しないことを明言した。さらに首相は、被災者対策や事故検証、避難解除に向けた政府の工程表を17日に示す方針を明らかにした。

 また1号機のメルトダウンで圧力容器の底が抜ける危険性について、原子力安全委員会の班目春樹委員長は「容器の底の温度は100度程度。本来300度で使うため十分余裕があり、一定の安定状態にある」との認識を示した。【松尾良、吉永康朗、念佛明奈】

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