水
29
6月
2011
引っ越し早々スキャンダラスなスタートというのは、ワタシは好みません、引っ越したらまずは両隣に蕎麦を差し上げた後、新生活にワクワクしながら少しずつ少しずつ慣れて行きたい訳ですが、引っ越すなりキラースメルス特集はあるわ(笑・コレは自分で仕掛けたのですが)、女性編集者の件も、ワタシの問題意識を越え、ワタシもこういう目にあった、昔こんな酷いのがいた、今は実際どんどん酷く成っている的な報告がプロアマ問わず大量に届きまして、シンクロとシンフォニーの凄まじい嵐が巻き起こり、さながらマッチ箱の中の嵐と貸しています。
ワタシがしたかった事がフレーミング(炎上)だのゴシップだの、ましてや「今後オレと仕事をする編集者は菓子折りもってきちんと挨拶に来い」的な(笑)馬鹿馬鹿しい威嚇行為などではなく、非常に鋭敏な時代感覚のひとつとして(お解りの通り、これはフェミニズムとファザコンとアンチエイジングと、子宮や卵巣内に放射性物質が蓄積するという、女性を取り巻く重要時が全部含まれていますし)、問題提起をしたかったのだ。という事は、きちんとお読み頂きさえすれば(←これも、安易に期待してしまう事も難しい世の中に成りましたが)ご理解頂けると信じます。
とうとう、マガジンハウス社の随分とお偉い方がワタシの事務所に謝罪に来る。という騒ぎにまで成ってしまいましたが、出来ればおこわりしたい(どうしてもとおっしゃるので、明日、会いますが)、勿論「会うつもりなんかないね!」と突っぱねる的な(笑)話ではありませんで、繰り返しますが、ワタシは、こうした事で事を荒立て、他人様に頭を下げさせてその頭を踏もうという颯爽とした勇敢な人間ではありません。「では何故、ブログに書いたのかね?」と訪ねるような方もいらっしゃらないとは思いますが、念のため、第一には「フェティシズムに溺れた男」というのはいくらなんでもあんまりですので(笑)。これはワタシが考えた訳ではない。という事を表明しないと行けないからです。
*途中ですが、こういう面倒も起こっています。
<ツイッターに、変な気持ち悪いのが無茶苦茶な事を書いているのでなんとかした方が良い>という報告を受けまして、そんなもんひとつひとつチェックしていたら大変な訳ですが(笑)、余りにヒドイというので、一応見て参りましたところ、<変な気持ちが悪い奴>などというのは随分と失礼な話で、実際は単に地味な普通の方でしたので、ツィッターで調子良く妄想を書きなぐる自由は氏にも当然守られるべきで、この手の凡庸な難癖は山ほどあると思われ。いちいち対応する必要は無い訳ですが、明らかな事実誤認を含みますので、一応念のため訂正させて頂きます。我ながら野暮ったい話です。この種のたれ込みは、今後不要ですのでなさらぬようお願い致します。
書いた方はPEGさんという方です
先生の日記ありゃ何時ものガイキチ爆発なだけだよ(苦笑)服飾関係では舐められてるだけだ。だって先生ファッションセンス皆無だもん(笑)だいちね後半オープンにしてない所で怪しいクレームつけてるはず。じゃなかったらあんな法外な金額提示されないし、金額載せてるのに何故交渉だけクローズなの?
しかも800字20万のくだり削除してるらしいじゃん?(苦笑)毎回あの人のトラブルにゃ引くけど流石に今回はドン引きだわー
今見にいったら本当に削除してあった。最低だなあの薄ら禿げは(笑)
全体に、何が言いたいのかよくわからないのですが(笑)
1)「怪しい交渉」はしておりません。ホットハウスの取材やアルバムのレビューをしてくれないかといった小さなレベルの事しかしておらず、稿料の金額もこちらは一切提示しておりません(よくお読みに成ればわかる筈なのですが)。提示額はGINZA誌が自主的に提示して来た物です。また、その金額をブログに掲載したのに、その後の交渉を載せなかったのは、載せるほどの事でもないというワタシの判断です。
2)その後、向こうから提示して来た金額をブログから削除したのもGINZA誌の要求によるものです。まあ、社内的にエグすぎるからでしょう。ワタシはいくらだって構わないし、書いても問題ないと判断したのですが「そこだけは伏せてくれ」と言われたので伏せました。
3)確かにワタシはファッションセンスが高いとはとても言えない薄ら禿げですが、故に服飾関係者に舐められているとか、重ねて故にこういう事が起こった訳ではありません。
4)言うまでもありませんが、これはPEGさんへの抗議とはではなく、数百人のフォロワーとはいえ、PEGさんの書き込みをご覧に成る方がいて、間違った認識をされると困るが故、訂正しただけですのでご了承ください。流行言葉を使うようでこっぱずかしいのですが、プチ風評被害という物でしょうか(笑)。無論「ファッションセンスの低い薄ら禿げ」は事実ですが(笑)、その他の点が事実と違います。
↑この問題は、以下の様なメールのやり取りの後に収束しました↓
PEGこと○○○です。大事な事を欠き忘れていました。
個人情報満載のTwitterと連動させていたので、早くも嫌がらせやスパムを頂いております。
こういった行為をする菊地さんのファンよりも私の生活を軽視なさるのなら放置で構いませんが、私としてはアカウントの削除を要請します。
実害が出始めておりますで今更遅いですが・・。
私の発言で不愉快な思いをさせて仕舞った事は申し訳ありませんでした。
他にも菊地さんに関する素敵な感想は沢山書いていたんですけどね・・。
ちょっとしたダーティダズンが(苦笑)大事になっております。
○○○
菊地成孔です。メール有り難うございました。しかし、事実把握に於いて、基本的に誤解があると思われます。
ワタシは、禿げだのセンスが悪いだのの「ダーティーダズン」について「不愉快に成った」ので、あなたのツィッターとアカウントを曝した訳ではありません。
サイトにもはっきり書いた通り、禿げやセンスが悪い事は一面の事実であり、そしてダーティーダズンは別に責められる事ではない(あなたのは、技術的にかなりヘタクソですが)。ワタシが禿げと言われて気分が不愉快に成ったとしても、ワタシがあなたを、例えば、延々とつまらない音楽をやってる、自意識過剰なだけで才能のない、よくいる気の毒な奴(顔も、ちっちゃい四角い写真で見る限り、人の事どうこう言えるレベルにない地味顔コンプレックス)。とか書いたとして、それであなたがもし不愉快に成ったとしても、それはあなたのおっしゃるとおり「ちょっとしたダーティーダズン」であって、公式ブログで取り上げあうようなレベルの事ではないとワタシは思います。
ワタシが問題にしたのは、ワタシが出版社に対し、何やら裏取引があるだの、原稿料についてこちらで請求した上に、こちらでブログ上から削除しただの、センスがないのでファッション誌に舐められ、舐められたが故にああいう扱いを受けただのいった件、つまりあなたが「ダーティーダズン」だと目している部分以外にあります。(というか、そういう風にハッキリ書いてあるんですが。お読みに成っておられませんか?)
「そういう部分もダーティーダズンだよ」と解釈されているとするならば、それは単純に間違いです。ダーティーダズンというのは、ビーフとは違い、通りすがりの相手の容姿や才能の弱点を口汚くやっつけることで、具体的な業務の、しかも裏側を無根拠に推測して無責任に書く事ではありません。そういうのはダーティーダズンではなく、ダーティージャーナリズムといいます(前述の「ビーフ」も、容易にそこまで行くケースが多いです)。
これは明らかな実害で、規模が大きかった場合は名誉毀損や業務妨害になります。
すでにいくつもの出版社から「あれ(業務に関する事)は本当ですか?今後おつきあいする上で、何か気をつけなければ成らないのでしょうか?」「稿料に関して、改めてお話し合いを持ちたく」といったメールが寄せられて、そのつど「あれは素人の書いたツィッターですので、事実無根です」といちいち説明しなければ成らず、大変難儀しております。作業的な難儀さだけではなく、イメージ(文字通り風評ですね)的にも問題が生じています。
ですので、それらの記述(しつこいようですが、剝げだのセンス無いだの。に関しての部分以外です)に訂正を入れて下されば(自分が書いた事は時事無根の推測である上に、間違いだった、というだけで構いません)、あなたのアドレスは削除させて頂きます。削除ではなく、改めて低際して頂く事を要求します。訂正する気がない。とおっしゃるばあいは、マガジンハウス社からそちらに、事実無根である旨、正式な抗議を入れさせて頂きますが、それまでお待ちに成りますか?
これがこちらの取引き条件です。返信をお待ちします。「こちらは実害が出ている」だの「こういった行為をする菊地さんのファンよりも私の生活を軽視なさるのなら」とかいう話ではありません。ましてや、自らが「ちょっとしたダーティダズンが(苦笑)大事になっております」というのは、大変失礼ですが、甘えもここまでくれば普通の日本人並み。といった所でしょうか。文字通り、大事なのはご自分だけですか?
○○○です。
お忙しい中ご返信ありがとう御座います。
菊地さんがおっしゃる事の重大さは理解いたしました。
いつもの野次飛ばし気分で憶測を書いたのは反省しております。
速やかに訂正の投稿をします。
菊地さんの活躍を楽しみに追っておりましたので、ちょっとしたファン心理の馴れ馴れしい甘えが自分にあった事は深く反省しました。
今後の更なるご活躍を楽しみにしております。
ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。
○○○様
迅速な対応を有り難うございます。ワタシのような仕事の者は、ブログでもツィッターでも、容姿だとか作品だとかの悪口は書かれ慣れておりますし、というか、それも人気のうちであり、これは本気でですが、有り難いと思っています。問題は、他社を巻き込んだ、業務上の風評で、ワタシのようにメジャーな大会社とかスポンサーのない(法務部による風評被害の対応など期待も出来ない)者に取ってはそこだけが急所なのです。ワタシはツィッターも2ちゃんねるもブログも表現は、「法に触れたら罰せられる」という、一般的な原則を踏まえた上に於いて、一切制限されるべきではないと思っています。アドレスは削除させて頂きました。それではまたいつか。
菊地成孔
*途中注終わり
文中でも一瞬のみ口走っておりますが、ワタシは80年代には、実はこういった事はザラにあったのでは?と推測しています。それが、少なくとも経済的には真逆である現在、奇妙な形で復権しつつある。その亡霊(まさに、マルクス/ドストエフスキー的な)に興味があるのであって、しかし、そこに皆の目が向かうのはずっとずっと後でしょう。そこにいる全員が「自分がどれほどの目にあったか」という軽トラウマを総て吐露しなければ成らない。半減期ではありませんが、全員がそれを完全にやりきるには、おそらく50年はかかります。それをしている時間はない。それをしている間に、時代は動くのです。ワタシは告発などという、中世における決闘並みの、流暢でエレガントなことをしようというのではない。重ね重ね、ワタシがしたいのは社会動向についての問題提起なのです。
ワタシは、自分はインターネットをそんなにやらないし、ちゃんとしたオトナである。というような、自分を安全圏に置く様な考え方はしていません。どんなテクノロジーにも功罪はあります。ワタシはタクシーに乗って公園の花を眺めながら走るのが好きですが、タクシーは危険極まりないテクノロジーですし、公園というのは、むっちゃくちゃに不自然な人工物です。また、ほとんどのテクノロジーを、人類は基本的には避けられません。ものすごく頭が悪い。以外に形容する言葉がひとつも見当たらない落合恵子が、テレビで「飛行機だって危険のリスクはありますよ。でも、飛行機には、乗らないという選択肢があります。その点原発は選択肢がないんですよ」と、マザーテレサの物まねで言ったので「オレこの冬イタリア行くけど船で行けちゅうんかいスプーン一杯の幸せ!!」と叫んでしまいました。
宇宙から吸血気になってしまう菌が降り注いだら、自分を含めた誰もが吸血鬼に成りうる。そこに闘いがあるのです。しかし、この闘いは非常に有意義でヴァリアントなものです。音楽の力は、60年代以降、反戦に代表される、社会的な有効性を信じられて来て、それが一度無化されました。ワタシは、音楽が戦争を止めるとは思いません。音楽が人々を変えると思うだけです。それは、演説や朗読の後ろに伴奏としてギターがかき鳴らされる様な音楽では最早ありません。リズムとサウンドによる、完全な抽象性に寄る、世界認識の変革だと思っています。
一昨日はブルーノート東京で、ワタシのライブの日のための特別メニュー(シェフとワタシと、スムリエ部で共同製作し、正式にプレゼンテーションします。ジャズクラブで食事する事にどうしても抵抗がある方。にもすんなり料理とワインと音楽のマリアージュが届けられるよう、楽しんで策を練っています)の試食会と撮影とブレーンストーミングをし、昨日は、六本木でパードン木村さんと、ワタシと、中原昌也さんとライブがあり、非常に有意義でした。
中原さんの美意識は、中世的とも言える格式感のあるそれであり、とても感動しましたし、我々3人のセッションも、非常に良い意味でのオトナのそれであり、とても満足しています。ワタシは、完全即興家やノイジシャンの多くが、とてつもない自己愛の持ち主で、無頼と貴族主義のバランスボードが完全に壊れている、いわば19世紀の画家や詩人のような人が多いので、人間的には兎も角、共演するのが嫌いなので、基本的にやらないのですが、中原昌也さんは、世界でも類いまれなノーブルさで無頼と貴族主義を完璧にバランスしている音楽家だと思います。
その後、中原さん等数名とプレゴプレゴに流れ(中原さんは、御存知、ゴールデン街住まいなので、言ってしまえば、最ご近所なのです)、朝まで飲んで、飲み食いの仕方もとても奇麗な方で、非常に気持ち良く飲めました。
そして今日は少女時代の代々木でのライブに行って来まして、今週はMTVアワードにも言ったので、一週間で二度も少女時代のライブを見る。という、かなり変わった週に成り、日記としては、そこそこのネタがあるとも言えるのですが、これはまた後日。ということで、今一言だけ言うとするならば、中村彼方さんは非常に優れていると思いますし、もし少女時代のコンサート評を書くならば「清純なのは日本なのか韓国なのか?」というタイトルに成るであろうし、そのことは先日のソウル旅行とも密接に関わっているという事です(因に、予防線を張る訳ではありませんが、音専誌からのコンサート評オファーは受けませんのでご了承ください。好きな事が書けないからです)。それでは。