リンゼイさん殺害事件 市橋達也被告「リンゼイさんには化け物に見えたと思う」
イギリス人英会話講師殺害事件で、殺人などの罪に問われている市橋達也被告(32)の裁判員裁判で、リンゼイさんの母親が初めて証言台に立ち、市橋被告に涙ながらに怒りをぶつけた。
弁護人側被告人質問で、市橋被告は「リンゼイさんの最後の気持ちを...、苦しくて...怖くて、つらかったと思います」と述べた。
そして、弁護側から「リンゼイさんには、どう映ったと思う?」と聞かれた市橋被告は、「化け物に見えたと思います」と述べた。
市橋被告は、「リンゼイさんには化け物に見えたと思う」と自ら証言した。
一方、同じ証言台には11日、リンゼイ・アン・ホーカーさんの母親、ジュリアさんが立った。
検察側証人尋問で、リンゼイさんの母・ジュリアさんは「娘に対して、この男は慈悲なく、あのようなひどい行為をしました」と述べた。
時折、涙声になりながらも、市橋被告に4年越しの怒りをぶつけたジュリアさん。
顔を変え、名前を偽り、時には離島にまで隠れ住んだ市橋被告の逃亡生活について触れ、ジュリアさんは「リンゼイを殺害して、その後、警察から逃亡している生活を書くこと自体、普通の人にできましょうか。出版・販売していることは、あまりにひどい話です。こちらに対する侮辱の極みです。わたしは、最高刑を望みます」と述べた。
リンゼイさんの父、ウィリアムさんは2008年3月、「娘は英語を教えるために日本に来ました。殺されるために来たわけではありません」、「この男が、わたしの娘を破壊した」と話していた。
そして、リンゼイさんの父・ウィリアムさんは「わたしは、この犯罪に許される最高刑を望むことに変わりはありません」と述べた。
弁護側から「日本では、『慈悲』、『寛容』の心を大切にしていますが、それを聞いたことがありますか?」と聞かれたウィリアムさんは、「聞いたことはあります。市橋被告は、そんな言葉は聞いたことがないと思います」と述べた。
リンゼイさんの両親の言葉を聞いた市橋被告は、11日も激しく手が震え、両脇を抱え上げられて退廷する場面もあった。
そして被告人質問では、涙ながらに、「わたしの一番の罪は、リンゼイさんに怖い思いをさせ、苦しませて死なせてしまったことです」と述べた。
弁護側から「遺族は、最高に重い刑になってほしいというのは聞いている?」と聞かれた市橋被告は、「はい、聞いています。わたしは、それを重く受け止めなければならないと思っています。わたしは、人間以下の行為をしました。いい人間になりたかった。実際は悪でした...」と述べた。
この裁判員裁判は、12日に求刑を迎える。
(07/11 18:52)