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給食の安全求め要望書を提出

7月6日 16時2分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、東京でも、小学生の保護者などから、学校給食の安全性についての問い合わせや要望が相次いでいます。こうしたなか、世田谷区の保護者らが、給食の安全性確保を求める要望書と署名を区長に提出しました。

要望したのは、世田谷区の小学校などに子どもを通わせている保護者のグループで、6日、世田谷区役所を訪れました。保護者らは、保坂展人区長に、給食の野菜や魚などの食材や牛乳について、放射線の検査体制を確立することや、区の判断で産地を限定して仕入れることなどを求める要望書を提出するとともに、6000人余りの署名を手渡しました。これに対して、保坂区長は、牛乳の検査はすでに行い、放射線が検出されなかったことを伝えたうえで、食材の詳しい産地をすべての学校で表示していきたいという考えを示しました。要望を行った保護者の1人は「今の食品の放射性物質の暫定基準値は、外国よりも高く、安全と言われても信頼できないので、自治体独自に基準を設けてもらいたい」と話していました。保坂区長は、「子どもと大人では、成長のスピードも違うし、体の大きさも違うので、子どもと大人で暫定基準値が同じであるのは納得し難い。保護者がそう思うのは当然で、要望を国に届けていきたい」と述べました。原発事故を受けた、食品の安全性や子どもの健康に対する懸念を背景に、東京23区でも、小学校の児童などの保護者から、学校給食の安全性についての要望や問い合わせが相次いでいます。NHKが、23区の教育委員会に取材したところ、少なくとも16の区では、給食や牛乳の代わりに、自前の弁当や水筒を学校に持ってきている児童がいることが分かりました。各教育委員会では、「給食には、国の安全基準を満たしている食材しか使われていないため問題はない」としていますが、保護者からの要望を受けて、渋谷区は複数の保育園と小学校で給食に使われた野菜の放射線量の測定を行ったほか、世田谷区でも牛乳の測定を実施したということです。結果は、いずれも放射性物質は検出されなかったということです。