白鵬、栃ノ心を圧倒！史上初Ｖ８へ待ったなし！…名古屋場所初日

栃ノ心（右）を寄り切りで下した白鵬

　◆大相撲名古屋場所初日　○白鵬（寄り切り）栃ノ心●（１０日・愛知県体育館）　初場所以来、半年ぶりの通常開催となった場所の初日。史上初の８場所連続優勝がかかる横綱・白鵬は西小結の栃ノ心を寄り切り好発進。大関取りに挑む関脇・琴奨菊は西前頭２枚目の豊ノ島に敗れ、苦難のスタートとなった。

　再開した通常開催の結びを横綱はきっちり締めた。白鵬は立ち合いから栃ノ心に何もさせず一気に寄り切った。「いい相撲だった。しっかり受けてやるという気持ちでした」と喜びをかみ締めた。

　史上最多の８場所連続優勝に向け、強力な援軍も駆け付けた。トヨタ自動車の豊田章男社長（５５）がお忍びで観戦。昨年の名古屋場所では野球賭博問題で賜杯なき優勝に涙した横綱へ手作りのトロフィーを贈呈した。白鵬もその時の恩返しで６月１７日に震災で被災した宮城・大衡村のトヨタ宮城工場のセントラル自動車を訪問。関係者は「社長は横綱の訪問を心から喜んでいた。ぜひ、お礼を言いたいと言っていました」と観戦の経緯を説明した。

　被災地のためにも勝ち続ける。横綱は今場所の懸賞金を義援金として寄付すること明言。結びの一番では１５本の懸賞を獲得した。この日、岩手・大船渡市での地震で３月１１日以来、初めて津波が観測された。まだ不安をぬぐえない被災地のためにも「１５日間しっかりやっていくのがテーマですから」。さまざまな思いを胸に、Ｖ８に向け横綱が動き出した。