福島県南相馬市から東京の食肉処理場に搬入された食用の牛11頭のうち、1頭の肉から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出され、東京都は、この肉が流通しないように保管するとともに、ほかの10頭についても検査を進めています。
東京都によりますと、8日、福島県南相馬市の生産者から東京・港区にある都の食肉処理場に搬入された食用の牛11頭のうち1頭から、国の暫定基準値の1キロ当たり500ベクレルを上回る、2300ベクレルの放射性セシウムが検出されました。これを受けて東京都は11頭すべての牛の肉を食肉処理場の施設内に保管して流通しないようにするとともに、ほかの10頭についても検査を進めています。東京都によりますと、東京電力福島第一原発の事故のあと、食用の牛肉から国の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたのは全国で初めてだということです。東京都では今後、食用の牛肉などについて生産地での検査を徹底することなどを要請したいとしています。厚生労働省によりますと、東京電力福島第一原発の事故のあと、牛肉から国の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたのは初めてです。厚生労働省は、8日、福島県のほか、隣接する6つの県に牛肉の検査態勢を強化するよう求めたほか、9日、同じ農家が同じ日に出荷した牛10頭の枝肉について検査し、基準値を超える放射性物質が検出された場合、出荷制限などを検討することにしています。また、これとは別に、福島県は8日夜、南相馬市に対し、肉用牛の出荷自粛を要請しました。