[トップページへ戻る][■■■■ 特設の2]


牛肉と牛乳について




2011年7月9日、牛肉に放射性物質が2000ベクレルも検出されました。

2000ベクレルというと、一日100グラムの牛肉を食べると1年で内部被曝を1.5ミリシーベルト程度浴びます。

私は4月に各地のデータを見ていましたら、その時点ではまだ肉類には放射性物質が取り込まれていませんでした。

7月に入って牛肉に放射性物質が入ることを予測できず、すみませんでした。

・・・・・・

チェルノブイリの時に、事故を起こした原発からかなり離れた地域の牛乳が汚染され、それで5000人の小児甲状腺がんが発生しました。

だから、食材というのはとても難しく、私が牛乳については煮え切らないことの原因になっていて、それは良心的な酪農家も同じく迷っているのですが、牧草の汚染度がハッキリしないのです.

かつて私は北海道の牛乳は安全だと言い、途中で少し危ないと変えました。それは福島の乳牛をこともあろうに、北海道に移動させた形跡があったからです。

日本の多くの人、子どもを抱えているお母さんは、安心な牛乳を求めておられます.是非、生産者は「汚れている牛乳を絶対、出火しない」と決意して欲しいと思います.

それがどんなに辛いことか、生活を脅かすものか、私なりに理解しているつもりです。でも同じ日本人として健康と命を守ってください。

政府が「国民を被曝させても、生産者を守る」という基本的立場を取っているので、政府に頼らず、私たちで子どもを守りましょう。

・・・・・・

牛肉の汚染は私の予想よりかなり早かったのですが、汚染されたと分かった限りは、出来るだけオーストラリア産の牛肉を求めた方が良いと思います.

牛肉が汚染されているということは福島、関東の牛肉、豚肉、鶏肉、卵は全部、注意した方が良いでしょう。

代謝速度は、動物の大きさのルートですから、ウシとブタが5倍違うとすると、ブタの方が2倍速く汚染されることを示しています.

残念ですが、福島やその近郊の酪農家の方は、肉類の生産を一時、中断し、状況を見られることが大切と思います.

多くの農家のかた、酪農家の方は、「安全なものを消費者に届けたい」という強い信念を持っておられるからです.

(平成2379日 午後9時 執筆)


武田邦彦



« 夏を乗り切る放射線対策 | | 7月23日 大阪講演のご案内 »

[トップページへ戻る][■■■■ 特設の2]