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特集地軸2011年07月11日(月)

なでしこジャパン

 「撫(な)で撫でして、いつくしみ、かわいがる子」が語源という。秋の七草の一つ(な)撫子(でし こ)。中国から入ってきた唐撫子(セキチク)に対し、日本原産が大和撫子。季節外れの花が今、スポーツ界で咲こうとしている▲
 サッカーの女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会準々決勝で、日本代表がドイツを下し、初の4強入りを決めた。W杯3連覇を狙う世界ランキング2位の強豪を相手に、「なでしこジャパン」は堂々の勝利だった▲
 女子代表の愛称として定着した「なでしこ」。アテネ五輪が開かれた2004年、日本サッカー協会が女子の注目度を上げるため一般公募で決めた。花の語源やイメージから、決して強そうには聞こえないのだが▲
 「日本女子選手のしんの強さやひたむきさに通じる」。協会の選考理由として当時の記事にこう書かれていた。当否は別として、日本女性の理想像を示す「大和撫子」を意識しているのは明らかだ▲
 男子代表に女子のような愛称は見当たらない。今なら呼称はザックジャパン。過去にも岡田、ジーコ、トルシエと、時の監督名がジャパンの前に付くだけ。サッカーは男のスポーツという意識を社会が引きずったままのようでもある▲
 大会の歴史や規模に男女差はあるが、W杯ベスト4は日本には未知のレベル。女子代表の躍進ぶりからして、「なでしこ」の呼び名も卒業の時かもしれない。

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