韓国企業を育てる「ソニーの革命家」(下)

 久夛良木氏は、新しい時代に合わせ、韓国企業の躍動性に大きな期待を懸けているという。そして、韓国企業には「ハングリー精神」が生きているとみる。

 久夛良木氏は、日本の代表的な親韓派企業人に数えられる。久夛良木氏は遠い祖先が韓国出身で、日本語で「百済の木」を意味する姓を持っていると説明した。「久夛良」は日本で「百済」を指した古語だという。久夛良木氏は自宅の庭に百済様式の石塔を建てたとのことだ。そして、2004年にサムスン電子と液晶パネルの合弁工場(S-LCD)を設立する際にも、ソニーグループの副社長として主導的な役割を果たした。

 久夛良木氏は、ソニー時代に半導体や液晶パネルの取引で、サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)社長、李潤雨(イ・ユンウ)副会長らをはじめ、韓国企業の優秀な人材と底力を知った。そして「韓国企業の競争力強化をソニー出身の自分が助けるのは面白いと考えた」という。

 チャレンジを楽しむ個人的な性格も、躍動的な韓国企業の投資コンサルタントを引き受ける上で、影響を与えたという。日本の電気通信大を卒業し、エンジニア畑を歩んだ久夛良木氏は、大学を卒業した当時、周辺が三井や三菱といった有力企業への入社を勧めると「保守的な雰囲気が嫌だ」と言い、当時新興企業だったソニーに応募したという。

 久夛良木氏は「われわれが夢だと思っていたことの多くが現実に変わるはずで、現在のIT製品の設計方式と枠組みも大きく変わる。韓国と日本のノウハウを結集し、今後の変化に見合った斬新な事業モデルを開発していかなければならない」と訴えた。

東京=白承宰(ペク・スンジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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