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南相馬の肉用牛、他の10頭からもセシウム検出 都発表

2011年7月9日13時20分

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 福島県南相馬市内の畜産家が出荷した牛1頭の肉から、国の基準(1キログラムあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが東京都の検査でみつかった問題で、検査を続けていた残りの10頭すべてで基準値を超える放射性セシウムが検出されたと9日、都が発表した。市場には流通していない。

 都によると、最も高い肉で1キログラム当たり3200ベクレル、最も低くても1530ベクレルが検出された。11頭はすべて、福島第一原発事故の緊急時避難準備区域内にある畜産家1軒から出荷されたもので、黒毛和牛という。

 東京都港区の都芝浦と場で8日に食肉処理され、厚生労働省からの要請で調査していた。今回、放射性セシウムが検出された牛はいずれも7月7日に出荷されたという。都によると、同じ畜産家の黒毛和牛は、5月30日に2頭、6月30日に3頭が芝浦と場で処理されていて、いずれも市場に流通しているという。

 芝浦と場では、農水省の指示で、福島第一原発から20〜30キロ圏内から出荷された牛でも、他地域の牛と同様、放射性物質についての特別な調査はしていない。ただし、厚労省からの指示が今回をのぞいてこれまでに5回あり、その際に行った検査ではいずれも基準値を下回っていたという。

 福島県は9日、県内の畜産関係団体などを緊急に集め、対応を協議する。出荷自粛の対象地域を、南相馬市以外に拡大するかどうかや、えさの管理の在り方について検討する。

 福島県食肉生活衛生同業組合の今野昇一理事長(63)によると、福島県産の肉牛の出荷には、生きたまま運ぶ方法と、県内で枝肉に加工してから首都圏などの食肉市場に運ぶ方法の2ルートがあり、今回は個人で生きたままの牛を出荷していたという。

 県によると、福島第一原発事故に伴って4月22日に緊急時避難準備区域が設定されたあと、同区域から出荷される肉用牛については体表の検査(スクリーニング)を実施してきた。同月23日から今月4日までに計2934頭にのぼる。

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