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【サッカー】

なでしこが初4強入り 丸山が決勝弾、女王ドイツ撃破

2011年7月11日 紙面から

◇女子W杯準々決勝

 【ウォルフスブルク原田公樹、浜田恵子】なでしこ、ドイツで咲き誇る−。サッカーの女子日本代表が9日、歴史を塗り替えた。日本は同日の女子ワールドカップドイツ大会・準々決勝で、大会2連覇中の地元・ドイツを延長戦の末、1−0で撃破、初の4強入りを決めた。日本の過去最高位は1995年スウェーデン大会での8強。W杯で欧州勢に勝ったのも初で、快挙尽くしのベスト4入りとなった。13日の準決勝でスウェーデンと対戦する。 

 試合終了後、決勝ゴールを挙げた殊勲の丸山桂里奈(28)=ジェフ千葉=は安藤に抱きついた。「おめでとう、アンチ(安藤の愛称)!」。9日はルームメートでもあるFWの29度目の誕生日。ゴールと勝利をプレゼントしたい。その願いがかなった。

 苦しい試合だった。2万6067人の大観衆のほとんどが地元ドイツの応援。その大声援にのって、ドイツは再三、自陣に侵攻してきた。0−0のまま突入した延長戦の後半3分、丸山は「沢さんからボールがあそこに来る」と直感し、ゴール右のスペースへ走る。その読み通り、沢から浮き球パスが出てきた。

 相手DFを振り切って角度のない位置から右足で左サイドネットを揺らす。その瞬間、完全アウェーのスタジアムは静まり返った。得点した丸山でさえ「えっ ゴール決まったよね?」と自らに確認したほどだった。

 決勝点を決める約8時間前。昼寝をしていた丸山は自分でゴールを決めて試合に勝つ夢を見た。「ああいうシュートじゃなかったけど、自分が決めて勝つ夢を見たんです。ウケますよね。自分が信じ、願うと、かなうんだなって実感した」

 宿舎からスタジアムへ移動する前には、選手たちだけで、昔のなでしこ映像を見たという。「歴代の選手たちがいて、私たちがいる。(先輩が)残してくれたものを受け継ぎ、自分たちで歴史を塗り替えよう、という気持ちになりました」

 試合直前のミーティングでは東日本大震災の映像などを見た。「けっこう泣いている人がいた。私は号泣した。私たちはテレビを通じて一生懸命、頑張っている姿を見てもらうことしかできない。できることを一生懸命やろうって話した」

 これまで8戦して一度も勝てなかったドイツにW杯で初勝利、初の4強入りも決めた。なでしこジャパンが一丸となって実現させた“ウォルフスブルクの奇跡”。記憶にも記録にも残る一戦として、長く語り継がれることになる。 (原田公樹)

 

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