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【プロ野球】

小谷野サヨナラ打 “元4番”意地のひと振り

2011年7月11日 紙面から

日本ハム−楽天 9回裏1死満塁、サヨナラ打を放ち中田(左)と抱き合って喜ぶ日本ハム・小谷野=旭川スタルヒン球場で(由木直子撮影)

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◆日本ハム3−2楽天

 “元4番”の意地がさく裂した。2−2の9回1死満塁で、日本ハムの5番・小谷野が中前にはじき返すサヨナラ打。チームは今季6度目の3連勝で貯金を今季最多の19に。首位・ソフトバンクと1ゲーム差をキープした。

 お立ち台に向かうヒーローは「寒い」と震えていた。ナインからミネラルウオーターでの手荒い祝福を受けたからだ。「今年初めてくらいの感じで貢献できた。ケガで迷惑をかけたし、スカっとしたというか、ホッとしたっていうか」。自身4年ぶり3度目のサヨナラ打。試合前にはカレーパンで腹ごしらえをするという30歳は屈託のない笑顔で喜びを語った。

 昨季の打点王は受難のシーズンを送っている。3月のオープン戦で死球を受け、右手首を骨折。5月末にも走塁中に左太もも裏を痛めて再び戦線を離脱した。6月中旬に復帰後も調子が上がらず、わずか6試合で中田に4番の座を譲ることに。だが、腐ることはなかった。「結果も出ていない、足の状態も完璧ではない、こんな状態で使っていただいている。打順とかに欲はない」と強調。「上から目線になりたくない」と話しながらも、食事をする際には中田に4番の心得をアドバイスすることもあるという。

 試合前に小谷野の活躍を予言していた梨田監督は「俺も変なものを“持っている”から」とニヤリ。11日は2軍から昇格する斎藤が先発する。4月24日の楽天戦(ほっともっと神戸)以来の3勝目を狙うルーキー右腕は「良い調子を維持できている。いつも3、4失点しているので、最少失点に抑えたい」と絶好調宣言。サヨナラ勝ちの勢いも追い風に、元祖“持っている男”が、貯金20の大台へ向けて出陣する。 

  (臼杵秀之)

 

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