「WBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(9日、アトランティックシティー)
王者・下田昭文(26)=帝拳=は挑戦者で同級1位のリコ・ラモス(24)=米国=に7回KO負けし、今年1月末に獲得した王座の初防衛に失敗した。下田は日本人世界王者として初めて米国本土で防衛戦に臨んだが、史上3人目の海外防衛はならず、戦績を27戦23勝(10KO)3敗1分けとした。世界初挑戦のラモスの戦績は20戦全勝(11KO)。日本ジムに所属する男子の現役世界王者は5人に減った。
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会場を揺るがす「USA」の大熱唱。本場のファンを沸かせると誓っていた下田が、皮肉にも絵に描いたようなKO勝利を地元期待のラモスに与えてしまった。
重圧のかかる初防衛戦の舞台は米国本土。前日まで余裕たっぷりの26歳だったが、ゴングが鳴る前は「浮足立った」と雰囲気にのまれた。スピードと手数で挑戦者を翻弄(ほんろう)し、6回まで3人の米国人ジャッジがいずれも下田を支持。しかし、攻め急いだ。7回は終盤に隙を突かれて連打を許し「直前のパンチまでは見えていたが、最後は見えなかった」という死角からの左フック一発で大の字になった。
試合後は「冷静にやるべきだった。かなり悔しい。もう一回やれるならば、やりたい」と唇をかんだ。本場の厳しさを痛感した様子だった。
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