岩手のニュース

ひょうたん島の松枯れ防げ 岩手・大槌、津波で被害

アカマツが枯れないように「点滴」を施す菅原さん=9日、岩手県大槌町の蓬莱島

 劇作家・作家の故井上ひさしさんが脚本を手掛けた人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデルとされ、東日本大震災の津波被害を受けた岩手県大槌町の大槌湾にある小島「蓬莱(ほうらい)島」で9日、一関市の造園業菅原悦夫さん(62)がアカマツの松枯れを防ぐ作業を行った。町のシンボルとして親しまれてきたひょうたん島で、アカマツの再生を目指す。
 津波により、島にあった灯台は土台だけを残して流され、弁天様を祭ったお堂も鳥居が折れた。島と岸辺をつないでいた堤防も流失した。
 5月にボランティアが実施した島の被害調査で、アカマツが3本残っていることが分かった。根の一部がむき出しになり、折れた枝や茶色に変色した葉も目立ったことから、調査に参加した京都市の宮司尾崎保博さん(63)が旧知の菅原さんに依頼し、今回の作業が実現した。
 菅原さんは地元漁師の船で、約350メートル沖合の島に到着。高さ約10メートルのアカマツ3本に手作りのはしごを立て掛けてタンクを設置し、植物用の栄養剤を点滴のようにして木の根元に注入した。順調なら1週間程度で新芽が出てくるという。
 大槌町では震災前、毎日正午を知らせる防災無線で「ひょっこりひょうたん島」の主題歌のメロディーが流れるなど、島は町のシンボルとして町民や観光客に親しまれてきた。
 菅原さんは「みんなが力を合わせれば、島は元通りの姿になるはずだ。避難して町を離れている人たちもお盆などで帰省した時などに、島やアカマツが無事で良かったと安心してくれたらうれしい」と話した。


2011年07月10日日曜日


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