政治【松本浩史の政界走り書き】「しっかり者」ではなく「だめ人間」の菅首相、国民の心配は頂点+(3/3ページ)(2011.7.10 12:00

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【松本浩史の政界走り書き】
「しっかり者」ではなく「だめ人間」の菅首相、国民の心配は頂点

2011.7.10 12:00 (3/3ページ)
官邸に入った菅直人首相=24日午前、首相官邸(酒巻俊介撮影)

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官邸に入った菅直人首相=24日午前、首相官邸(酒巻俊介撮影)

 多くの人は、「だめ人間」と「しっかり者」の両面を併せ持っていて、折節の状況を冷静にみつめ生きている。どの政治家もたいがい常人よりも自尊心が強いものだが、首相ほど「しっかり者」だと思い違いをしている御仁はそういまい。そうした心根がつまるところ、「勘違いもはなはだしい」のだ。

 それだから、政治環境を冷静に認識せず、独りよがりで自信過剰な発言を臆面もなく口にできる。6日の衆院予算委員会では、自身の進退問題について、「満身創(そう)痍(い)、刀折れ、矢尽きるまで、私の力の及ぶ限り、やるべきことをやっていきたい」とのたまった。

 もう聞くに耐えない言いぶりである。首相でい続ければ、震災対策のみならず、外交・安保など万般にわたり停滞をもたらす元凶になるとの認識がまるでない。

 またしても宮沢の作品からの引用なんだが、これなどはまさしく首相と、首相を取り巻く政界のにっちもさっちもいかない空気感が色濃く出ていて、なかなかの味わいである。

 「なんか、やたら威勢がいいが、威勢がいいだけに、まだだめなんじゃないのかと人に心配させる響きが(略)ある。そのなんとも心配な雰囲気が、『だめ人間』のまた別の側面だ。『だめ人間』の奥は深い」

 威勢よくやってくれるのはいいんだが、やればやるだけ「まだだめなんじゃないのか」と周りを落胆させ、「心配な雰囲気」を醸成している。首相は宮沢の手によるこの作品を一読し、自省してもらいたいものである。

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官邸に入った菅直人首相=24日午前、首相官邸(酒巻俊介撮影)
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