原爆投下後、長崎に降ったとされるプルトニウムを含む「黒い雨」の痕跡調査が9日、爆心地の北東約7.5キロにある長崎市の間の瀬地区で始まった。長崎大と広島大などでつくる研究グループが土壌を分析し、年内に結果を発表する。
黒い雨は、爆心地から東に約3キロの西山地区を中心に降ったとされる。実際、西山地区の水源池では2006年、近畿大の調査で水底の土中から1グラムあたり約0.3ベクレルとごく微量だがプルトニウムが検出された。
西山地区以外でも黒い雨の目撃証言はあったが、系統だった調査はなかった。このため長崎県保険医協会が今年、被爆当時に1〜17歳だった間の瀬地区の男女20人を調査。13人が黒い雨が降ったと証言し、うち6人は1年以内に脱毛の症状があったと回答したことから、土壌調査を依頼した。