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最終更新:2011年7月6日(水) 1時31分

就任から9日で辞任、政権への影響は

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 就任からたった9日での松本復興相の辞任劇。今回の一連の人事のごたごたぶりは一体何だったのでしょうか。

 総理は、ひょっとしたら「最初から平野さんを大臣にしておけば・・・」と後悔しているかもしれません。というのは、先週の人事の際にも、候補として平野さんの名前はあがっていました。

 ただ、その時には、もうひとつの目玉だった細野原発担当大臣というのがあり、平野氏まで昇格させると、もう1人、大臣の入れ替えをしなければならず、そのパワーは総理になかった、そのツケがここにきて来たということが言えるわけです。いわば「死に体内閣」の限界というのが見えた感じです。

 もうひとつ、安住国会対策委員長の起用の検討があります。自分の退任時期を巡って、国会対策で苦労をかけたということも考慮してのことだったのですが、これも6日からの国会審理を考えると、要の人物を代えるわけにいかないということでした。ただその安住氏が、平野氏の人事が決まった後、あそこまで激しい総理批判をするとは、菅総理にとっても全く予想外のことだったのではないでしょうか。

 人事失敗の影響は最悪と言えます。ひとつが、安住氏に象徴される政権内の亀裂の表面化です。自民党政権時代を通じても、ここまで激しい身内かからの総理批判というのは、あまり聞いたことがありません。

 ある意味、本来なら職を辞して言うくらいの批判ですが、ここで興味深いのが、安住氏が「新しい人へのバトンタッチ」という言葉を使って、総理を早く辞めさせるために退陣の3条件、補正予算案と2つの法案を早く通すと言っていることです。総理を辞めさせたい人間が政権の要にいるという、「政権の空洞化」がより進んだということが言えるわけです。

 そしてもうひとつ、副大臣人事の撤回、これも総理の威光の低下を示す以外のなにものでもありません。そうした政権に対して、与党・野党問わず「早く辞めるべきだ」という退陣圧力が、今後強まっていくというのは間違いないと思われます。(05日23:09)

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