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日本を取り巻く国際情勢 第280号   2010年5月20日発行

   山本善心の週刊「木曜コラム」
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    今週のテーマ
    朝鮮半島の史実を検証する(後編)

                      時局心話會 代表 山本善心

                                                  


 朝鮮半島二千年の歴史を辿れば、わが国と全く異なる風習や民族性が浮かび上がってくる。特に大きく異なる点は公私のけじめに対する違いだ。たとえば、わが国はかつての戦争で国民は天皇を神と仰ぎ、公のためならこの身を捧げてもよしとする覚悟があった。ところが、中韓は家族や閥の利益を最優先するため、いざ戦争で敗色が濃厚になると兵士は一目散に逃げ出す場合もあったと聞く。

 朝鮮総連が戦後北朝鮮に貢いだ額は膨大なものである。今でも日本に住む韓国や北朝鮮系の親戚から北朝鮮に送られる金銭や物資は引きもきらない。これは親戚なら八親等まで金のある者が無い者に援助するという朝鮮民族の社会風習から来ていよう。北朝鮮はそうした韓民族の弱みにつけ込んで貢がせてきた。

 一方、中国はどうか。現今の中国共産主義体制を維持している中心は閥族であり、彼らが中国民族の支配者だ。閥とは門閥、名閥など出身や科挙を共有する勢力が団結する排他的な集団である。反面、家族の結束が強く、昔から支那に何か問題が起こると何処へでも逃げられるよう家族は欧米や日本に分散して住んでいる。支那大陸という治安が悪い環境で身を守るには、氏族集団で結束する以外に方法はなかった。

韓国の地域紛争の根底にある百済への差別意識


 ところで、今でも韓国政府を悩ませる同国特有の激しい地域感情はどのようにして醸成されたかを検証しておきたい。韓国の地域紛争の根底には永年にわたる百済への差別感情があった。百済と新羅は人種も言語も異なり、百済人は骨格が太く、角が張っており、性格が激しいわりに手先は器用だと聞いている。彼らは永い間下層階級の賤民(チェンミン)として差別され、百済の全羅南道と北道出身者は商工会議所の会頭にもなれなかった。

 いまも百済に対する偏見は根強く、新羅出身の学生らに百済出身者と結婚するかと尋ねると、「それだけは絶対にしない」と答えている。それだけに、1997年に地元百済で99.6%の得票率を得て百済から金大中大統領(当時)が誕生したことは画期的な出来事であった。

 李朝時代の社会構造は、国王を権力の頂点に、王族、両班(上級官吏)中人(チュイン・技術系の中・下級官吏)、常民(サンミン・一般人民)、賤民(下層民)の順序で区別されている。賤民とは奴隷、俳優、下級医者、巫女(ムニョ)、白丁(ペクション)等サービス産業に従事する職種の人々を指す。これらの階級制度が徹底され、両班などの上級階層と下級階層との身分格差は王と奴隷ほどの違いがあった。
 
 今日、北朝鮮の金正日体制は、下層人民が苦しみ抜いた李朝500年時代の社会構造と同じ生活を継承している。北朝鮮では多くの餓死者を出しているが、これも李朝時代と同じだ。

韓国文化は中国文化のコピー

 李朝時代は人民に過酷な環境と刑罰を課し、下層階級は悲惨極まりない生活を強いられた。人民を苦しめる不幸な時代が長く続けば、豊かさとは無縁となり、わが国のように「万葉集」や「源氏物語」、歌舞伎、能、文楽といった独自の文化を生み出す余裕は生まれなかった。これが建築様式や陶磁器、絵、小説、詩に至るまで韓国文化が中国文化のコピーと揶揄される所以である。

 韓国に独自の文化があるとすれば教えて頂きたい。唯一、文化と言えるのは1443年に創製されたハングル文字だと前号でも既に述べている。ハングルは李朝時代、諺文(オンムン)と呼ばれ、女・子供が使う言葉だと軽視されていた。上級階層やインテリは漢字漢文を用いているので、ハングルは国学として正統な地位が与えられていなかった。

 ハングルは1911年、日帝の植民地時代に初、中、高等学校で朝鮮人、日本人を区別せず、必修科目となる。日本の教育によってハングル文字が学習課程に組み込まれ、朝鮮半島全土に普及するようになるとは皮肉な話だ。朝鮮半島の支那思想、支那文化のコピーの中で唯一日本的な影響が強く残った時代であった。

支那に忠誠を続けた歴代王朝

 韓国の近代史は、高句麗、高麗、李朝朝鮮と変遷しても支那に対する従属は変わらなかったので、韓国文化が支那大陸からのコピーと言われる所以である。これは中国を中心の華に据え、周辺諸国との距離、忠誠心によって格付けされるものだ。その結果、朝鮮半島の安全と安定が保たれるという仕組みであった。中華思想に平等外交はなく、支那こそ世界の中心であるから、わが国を始め、イギリス人が秦を訪れた時も支那では土下座させられている。

 当時、支那は先進国であったのか否か。支那大陸はユーラシア大陸の中の一番外れにあり、本来は文化的に後進国の筈であった。しかし、先進地域から銅器、鉄器を取り入れ、唐の時代には先進国となる。支那の鉄器時代は紀元前300年から始まり、暦、天文学、仏教、ラクダ、騎馬技術などが西から輸入されている。

 支那が発明したのは、火薬と紙と鎧で、これは三大発明と語り継がれている。こうした時代背景の中で韓国は中国に巧みに取り入り、唐帝国の植民地、衛星国として忠誠を誓い生き延びてきた。わが国は中華圏外にいて、支那から直接の影響を受けることはなかった。

日本は野蛮国

 わが国は支那大陸から離れて、支那文化の支配下にないので、彼らから無知で品格のない野蛮国と蔑まされていたのである。筆者が以前、韓国の旅行社に案内されて北京に行った時のことだが、ガイドの中年男性がまじめな顔で「皆さん、中国人は親で韓国人は兄、日本の皆さんは弟です」と説明したのには日本人一同呆れるほかなかった。

 しかし、韓国人の多くが本気でそう思っていることは確かだ。「真実は最も人を傷つける」という言葉があるが、本音では韓国のインフラは戦前の日本人が整備したことを皆知っている。けれども、野蛮国であり、弟分である日本が韓国を植民地にして火力、電力、水力発電、鉄道、学校、農地改革など韓国の近代化のためにあらゆる資本と技術を投入したから今日がある、などとは決して言われたくない。韓国人から見れば、日本人は韓国では学歴も教養もない百済以下のクズが集まって出来た国だと心底そう思っているからだ。こうした見方や考え方は日本人にとって全く理解できないことである。
 
朝鮮人への差別

 わが国の植民地時代、日韓両国の民間人同士はお互いに助け合って仲良くやっていた。韓国人の中から志願兵として日本軍に参加した人も大勢いる。当時の韓国の小学校では日本人教師と深い絆で結ばれた生徒も大勢いた。金大中元大統領もその一人で、氏は来日した折、小学校時代の恩師と面会して話題になった。

 しかし、敗戦が濃厚になると、日本国内では朝鮮人や支那人に対する差別が酷くなったとの記憶がある。筆者が子供の頃、日本人の子供が「朝鮮、朝鮮パカするな、同じ飯食ってどこ違う」と言うと、別の子供が「靴の履き方ちょと違う」と言ったのを覚えている。戦争末期と戦後の一時期韓国人に対する非礼を忘れてはなるまい。

 一方、支那人に対しては「ちゃんころ」と呼んでいた。この頃が歴史上唯一中国と韓国を蔑む差別化時代であったと思う、この仕返しはいつか必ずやって来るであろうことを筆者は幼いころからそれとなく感じていた。

日韓新時代に向けて

 戦後、1948年韓国が独立して李承晩政権ができると、韓国内の地域紛争と内政問題をわが国にすり替える徹底的な排日教育が行われた。とかく問題が多い百済の存在、それに新羅、高句麗などとの地域紛争は複雑怪奇で二千年も続いて来た難題である。

 これら韓国内の地域感情が、韓国の政情を不安定にした。李承晩は、敗戦で弱体化した日本を叩き、日本罪悪論を並べ立て、国民の眼を地域感情から「反日」にすり替えることに成功した。日韓関係が難しいと言われる要因は、実は韓国内の問題が根元にあることを申し上げたい。

 日韓関係の修復については、これまで常に韓国側が瞬間湯沸かし器のように沸騰し、全く議論ができなかった。しかし、ここに来て韓国は経済力も軍事力も世界で有数の国力を持ち、常識と冷静さが見られる。現在の韓国のリーダー李明博大統領は、筆者が歴代韓国大統領の中でも実績主義の傑出したリーダーであると就任前から評価する人物だ。今や韓国民の期待に応えている。両国民の中から志ある者が立ち上がり、これまでのしがらみを払拭する強力なリーダーシップで新しい日韓時代を築いてもらいたいと願うばかりだ。

 次回は5月27日(木)

279「朝鮮半島の史実を検証(中編)」
278「朝鮮半島の史実を検証(前編)」
277「少数の反米勢力に振り回される米軍基地問題」
276「台湾研修会 自由時報呉阿明氏」
275「台湾研修会 李登輝氏講演(後編)」
274「台湾研修会 李登輝氏講演(前編)」
273「日台の新しい船出」
272「大国日本の復活に向けて」
271「露呈した台湾吸収のシナリオ」
270「米中G2の行方」
269「東アジアの防衛〜軍拡を続ける中国の脅威〜」
268「外国人の参政権付与に潜む国家解体の危機」
267「2010年の中台経済」
266「いのちを守りたい」演説に潜む危機
265「検察VS小沢」
264「鳩山政治の限界」
263「長寿とガラパゴス現象」
262「2010年意向の経済環境」
261「民主党左翼政権への蠢き」
260「天皇制廃止論」
259「伊藤博文暗殺から100年」
258「台湾のアジア外交」
257「鳩山政権の景気刺激策」
256「民主党の友愛外交」
255「岡田外相の歴史発言」
254「グアム米軍基地を視察」
253「古代ギリシャの没落に学ぶ」
252「日教組教育の大罪」
251「台湾の中国傾倒を憂慮」
250「平和と平等への幻想」
249「李登輝講演録3」
248「李登輝講演録2」
247「李登輝講演録1」
246「政権交代」
245「馬政権の人気急落」
244「日本核武装論」
243「オバマ軍縮と東アジア」
242「国家の暴力」
241「民主党政権の誕生で何が変わる」
240「尖閣と日本の国防」
239「米国型格差社会の実態」
238「中国軍拡と覇権共同体」
237「民主党支持が大勢」
236「わが国教育政策の危機を問う」
235「名古屋改革と河村市長」
234「中国に傾く台湾」
233「2010年中国経済の危機」
232「汚れた『清廉』に幕を下ろす」
231「民主党鳩山・小沢の新体制」
230「北ミサイルと中露の陰謀」
229「我が故郷『大満州』」(後編)
228「我が故郷『大満州』」(前編)
227「地検特捜の敗北」
226「資本主義経済の終焉」
225「北のミサイル発射」
224「台湾馬英九政権の実態」
223「小沢安保の是非を問う」
222「小沢民主党の激震」
221「『北方4島』とサハリン」
220「『かんぽの宿』と鳩山発言」
219「霞ヶ関権力の崩壊」
218「米金融破綻後の世界」
217「小沢民主党と日教組」
216「中国微笑外交の本音」
215「米オバマ新大統領への期待」
214「台湾の灯が消える日」
213「今年の日本経済」
212「満州事変と日米戦争」
211「田母神論文・全文掲載(後編)」
210「田母神論文・全文掲載(前編)」
209「中国産食品の農薬問題」
208「神田高校の校長更迭」
207「オバマ新大統領と米国の未来」
206「田母神論文を封印」
205「台湾馬総統の本性」
204「中国解放軍の実態」
203「世界激震、深刻経済」
202「米国主義リーマンの破綻」
201「国交相、日教組発言」
101〜200号
 (2006/10/5〜2008/10/2)
1〜100号
 (2004/10/28〜2006/9/28)


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