今回の統一地方選挙では、国と地方の難しい関係が目に付く場面が非常に多かっただけに、今後の議論の展開と決着をきちんと見守る必要があります。まず、統一選のテーマになった問題の一例に、首長の「違法行為」が挙げられます。

鹿児島県阿久根市の前市長が議会を開かずに専決処分を繰り返し、出直し市議選では前市長派が敗れました。住民基本台帳ネット接続を拒んだ首長は、福島県矢祭町で再選、東京都国立市では落選。また、市川市のお隣、浦安市では市長が東日本大震災を理由に県議選の事務を拒みました。この様な一連の行動に対して、国からは、1991年に地方自治法改正で削除した「首相による知事罷免」・「知事による市町村長罷免」の規定を復活させれば良いとの、時代に逆行した意見も出されたようです。これは、国側に、いまだ国と地方を主従関係と見る、明治以来の考えから抜け出せないでいることを示したものであると言えます。

そして民主党政権では、より深刻な問題も出てきています。それは地方に対する責任感の欠如です。鳩山前政権による沖縄県の普天間飛行場移設問題でとった対応が最たるもので、今回の菅政権の福島第一原子力発電所の事故対応を見ても明白です。福島県出身の渡部恒三議員が4月25日の党会合で「総理が最初に『原発は国策だ。生活の再建は国が責任を持つ』と言えばよかった。同じ言葉でも40日前なら『さすが』と言われたのに、遅れたから文句を言われる」と端的に指摘もしています。国が責任感を示さず、負担ばかり地方に押し付けると思われては民主党の旗印「地方主権」の掛け声も今では本当にむなしく聞こえます。


私は、真の「地方分権」、「地方主権」を勝ち取るために今出来ることを、皆さんと共に一歩ずつ踏みしめて行きます。今後とも宜しくお願い致します。