神戸−名古屋 後半39分、決勝点となるゴールを決めガッツポーズ。雄たけびをあげる中村直志。待望の勝ち点3だ=ホームズスタジアム神戸で
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名古屋グランパスは後半39分、途中出場の中村が決勝ゴールを決めて神戸を破り、9戦負けなし。柏は試合終了間際の得点で仙台を破り、勝ち点31で首位を守った。2位横浜Mは磐田に逆転勝ちで4連勝、柏と勝ち点1差は変わらず。川崎は福岡に辛勝。清水は甲府に競り勝った。
◆名古屋1−0神戸
重苦しかった空気を中村が切り裂いた。ルーズボールを自陣からドリブルで持ち込むと、約30メートルのミドルシュートを狙い澄まして神戸ゴールへ突き刺した。3試合連続の引き分けが脳裏をよぎり始めた後半39分だった。待望の先制点にボルテージが最高潮に達したのグランパスサポーターの前で、ケネディが、玉田が、増川が折り重なるようになだれ込み、殊勲の中村を祝福した。
左前を走るケネディにパスを出す選択肢もあった。しかし中村は自分へのマークが甘くなったところを見逃さなかった。「前が空いた。パスもあったが自分が打ちたかった。安全にパスも大事だが、ときにリスクを負わないと」。積極的にいこうとする熱い気持ちの中に、力任せではなくミートすることを心掛ける冷静さを失わなかった。
左ふくらはぎの肉離れから5試合ぶりの復帰戦。1度も実戦を踏まずに即公式戦出場となったが、慌てることはなかった。「今までもそういう経験はある。外から試合を見て自分がするべきことがクリアになった」。故障をマイナスととらえず、自分の役割を見つめ直す機会にした。
DFを引き寄せたケネディは「試合を決めるのはいつも1つのキックやパス。きょうのゴールは100%、ナオシ(中村)の功績」とたたえた。ストイコビッチ監督も先発は外したが、後半からの起用を決めていた。「故障で長くゲームを離れていたが、入ってすぐに美しいゴールを決めた」と、手放しで称賛した。
グランパスは最近8戦不敗ながら、4引き分けと勢いに乗り切れていなかった。「引き分けが続くと、その後でいい結果を出さないと引き分けが生きてこない」と中村。ゴールは昨年8月22日のG大阪戦以来。そのゴールも2006年以来1365日ぶりと久々だったが、0−4と大敗した直前の川崎戦の悪い流れを断ち切る先制ゴール。今回もチームにとって大きな勝利をたぐり寄せた。
「ゴールもうれしいけど勝ったことはもっとうれしい。勝ち点3を持ち帰るのは全然違う」。グランパス一筋11年目。頼りになるベテランが、復帰初戦で大仕事をやってのけた。
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