苫小牧のニュース

米駆逐艦が苫小牧に初入港

(2011年 2/5)

苫小牧に入港したグリッドレイ

 米海軍の駆逐艦「グリッドレイ」(9180排水トン)が5日、苫小牧港・西港に入港した。米軍艦が公共岸壁に着岸するのは初めて。9日まで停泊し、乗員は、とまこまいスケートまつりでボランティアを予定している。

 接岸した中央北埠頭(ふとう)につながる埠頭道路は、一部で立ち入りを禁止。警察や苫小牧港管理組合の職員が、出入りする車両をチェックし物々しい雰囲気が漂った。

 寄港の目的は「親善友好」。ただ、一般市民は艦船に近づくことはできない。岩倉博文苫小牧市長への表敬訪問や艦船での昼食会も非公開となる。

 米海軍司令部によると、グリッドレイは米海軍第7艦隊のエリアで展開。当初公表されていた横須賀港(神奈川県)からではなく、シンガポール港から真っすぐ苫小牧に入港した。日本の港に寄港するのは2008年の福岡港以来2回目。

 グリッドレイのブライアン・クイン艦長は艦内で会見し、「苫小牧での滞在が楽しみだ。最大の目的は寄港を通じた友好・親善で、日本とアメリカの間にある日米同盟の絆を深めたい」と述べた。

 とまこまいスケートまつりが滞在中の一番の楽しみといい、「乗組員数人がボランティア活動に参加する。苫小牧は海産物がおいしいと聞いている。飲食街や買い物にも出掛けたい」と市民との交流にも期待感を表した。

 会見後、報道関係者に艦内を公開。ミサイルなどの兵器をコントロールする戦闘情報センター(CIC)や機関室、艦尾の格納庫にあるヘリコプターなどを見せた。

 寄港に反対する労組や市民団体が、西港周辺で抗議活動を行った。連合苫小牧の集会に約400人が参加し、地区労連系の米艦船寄港反対苫小牧実行委の抗議活動に約100人が集まった。