東海呼称問題:国際地図学大会で韓国代表団が広報活動
「東海」が表記された260年前のフランスの地図をデザイン
「こちらにいらして韓国の地図も見て、Tシャツも持って行って下さい」
4日午後、パリの凱旋門近くにある大型展示場、パレ・デ・コングレ・ド・パリ。世界各国の地図製作者、地図学者3500人が出席して国際地図学大会が開催されたこの場所で、韓国代表団が静かに「客引き」をしていた。韓国地図学会のチョン・インチョル会長(釜山大学地理教育学科教授)、ソン・ヒョヒョン教授(梨花女子大)、イ・サンイル教授、シン・チョンヨプ教授(ソウル大)、キム・ヨンフン教授(教員大)などを含む韓国代表団は、今年の世界地図学大会を「東海(日本名:日本海)」を広める広報の場とするためにTシャツ1000枚を空輸した。
白いTシャツの前面には1750年代にフランスの王室地理学者、ジル・ロベール・ヴォゴンディーが作った地図(東海を韓国側にはMER DE COREE=韓国海、日本側にはMER DU JAPON=日本海と表記)が、背中側には、東海を\'EAST SEA(SEA OF JAPAN)と表記した最近の地図がプリントされている。260年前、地図製作分野の最高先進国だったフランスでも東海を韓国海と日本海と併記していることを明示し、東海という表記を主張する上で歴史的に正当性があることを強調した図案だ。
韓国代表団が、国際地図学大会会場に前例のない広報ブースを準備し、東海併記運動を繰り広げたのは、国際水路機構(IHO)が2012年、59年ぶりの修正版を発刊する予定の『海と海洋の関係』(世界地図の標準モデル格)に東海併記を実現させるためだ。
東海の名前を呼び戻すために20年以上、多方面からの努力を続けてきた民間機構東海研究会(会長・パク・ノヒョン高麗大法学専門大学院教授)と、韓国地図学会は、今年パリの国際地図学大会がまたとない広報のチャンスだと判断し、Tシャツ配布イベントを企画した。
Tシャツは、イベント初日だけで300枚以上が配布され、広報効果をしっかりと果たしている。チョン・インチョル会長は「日本の代表団を刺激しないよう、目立たないよう静かに行っているのに、質のいい韓国製Tシャツが無料で配られているという噂を伝え聞き、(ブースを)訪れ、Tシャツを受け取っていく」と話した。
チョン教授は「日本は無視する戦略で、東海併記の主張を一蹴しているが、世界地図学者と地図製作者が東海の問題をさらに知るようになれば、韓国の主張が受け入れられるだろう」と話した。
国際水路機構は、国家間の論争となっている海の名前の表記と関連し、併記を解決方法として受け入れる動きを見せている。例えば、イギリスとフランスの間にあるドーバー海峡の場合、フランス式表記(Pas de Calais=カレー海峡)を併記するという案を受け入れた。
- パリ国際地図学大会の韓国広報ブースで「東海」表記の正当性を強調したTシャツを配り、世界各国の参加者の関心を集めている。左から、韓国国立海洋調査院のパク・ポンソク主務、フランス国際地図学会参加代表団のカトリンヌ・パルトンとステファニー・キスリング、韓国地図コンサルティング会社「ジイン(ziin)」のチャン・ウンミ代表。/写真=金洪秀(キム・ホンス)特派員
パリ=金洪秀(キム・ホンス)特派員