「大相撲名古屋場所」(10日初日、愛知県体育館)
大相撲の通算勝ち星記録1045勝まで、あと1勝に迫っている大関魁皇(38)=友綱=が9日、愛知県体育館で行われた本場所の安全を祈願する土俵祭りに参加した。2日目にも新記録を達成するが、師匠の友綱親方(元関脇魁輝)は「1勝1敗」と、連勝を予言した貴乃花親方(元横綱貴乃花)とは反対の厳しい見解。裏には名古屋場所担当部長という立場上、できるだけ達成が長引いて、観客増に結びついてほしいという願いもあった。
◇ ◇
師匠は冷静に勝負を分析した。魁皇がつまずく可能性が大きいのは2日目の豪栄道戦だという。「正直、苦手なタイプ。右を取って体を小さくして頭をつけてくる。ひねりもあるし、やりにくい」。確かに、過去5勝5敗と分も良くはない。
しかし、連勝を予言した貴乃花親方のように、世紀の大記録を盛り上げることはともかく、師匠が冷や水をかけるのは意外に思える。背景には名古屋場所担当部長という立場と、八百長問題の影響で入場券の売れ行きが芳しくないことがある。
白鵬の8連覇と、大関とりの琴奨菊も話題だが、両者とも終盤戦まで結論が出ないのが難点だ。入場券の15日間トータルの売れ行きは友綱親方によると「45%ほど」。後に野球賭博問題を受けた払い戻しがあったとはいえ、昨年同時期は約6割売れていた。
「何とか序盤戦は盛り上げてほしい」というのが、師匠の本音。出稽古なしに本場所を迎える魁皇は「バタバタした中で(準備は)これぐらいしかできなかった」と万全ではないが、期待に応えたいところだ。
ソーシャルブックマーク・RSS・twitter・Facebook